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Channel: 続・国道な日々
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三重県人のソウルフード

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三重県人のソウルフードというと。

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大内山(おおうちやま)ミルクランドにて


三重県の名物というと、松阪牛とか、赤福とか...。
いろいろとあると思う。

けれども、ふつうの三重県人にとっては、
松阪牛なんか、口にする機会はない。
本物の松坂牛だと、100gあたり3,000円はするし、
松阪市内の有名なお店で食べたら、
ひとりあたり、2万円はかかるもんな。

赤福は、お土産にはいいと思うけど、
そんなに何回も食べたいというものではない。

ということで、松阪牛も赤福も三重県の名物だけど、
三重県人は、あまり食べないね。
それでは、三重県人のソウルフードとはなにかというと、
ズバリ、大内山(おおうちやま)牛乳でしょう。
(丸尾くんふうに)



大内山牛乳とは、紀勢本線の大内山駅ちかく
にある大内山酪農さんがつくっている牛乳である。
三重県内では、ほとんどのスーパー、食料品店で
取り扱っているし、三重県内の公立学校に
学校給食として、おさめられている牛乳の多くは、
大内山牛乳である。

ということで、大内山牛乳は、三重県人なら、
だれでも知っている。
逆にいうと、三重県人以外は誰も知らないけど。


私の子どもの頃、紀勢本線の列車が大内山駅に
着くと、立ち売りの売り子が、
「大内山名物の牛乳は、いかがでしょうか~。」
と言って、牛乳を売っていた。
結構、みんな買っていたように記憶している。

大内山駅は、急行も停まらない小さな駅だったけど、
大内山と紀伊長島のあいだには荷坂峠(にさかとうげ)
があるので、普通列車の多くは大内山駅で長時間停車した。

また、全国的にみて、牛乳の立ち売りというのは
珍しかったし、そのころの旅人は、みんな精神的には
飢餓状態であり、駅に立ち売りの売り子がいると、
弁当でも、団子でも、ジュースでも、なんでも買った。

当時の紀勢本線の列車は、DF50型という
ディーゼル・エレクトリックの機関車に牽引された
旧型客車だったから、かんたんに窓を開けることが
できた。大内山牛乳の立ち売りたちは、案外、
いい商売をしていたように思う。



現在でも、私は三重県の実家に帰ると、
大内山牛乳を買って飲む。
特別な乳牛を使っているわけではないし、
特別なプロセスを採用しているわけでもないんだけど、
なぜか、美味しい。
牛乳本来の味がする。

三重県人の私にとっては、大内山牛乳の味が
デフォルトになっているから、都内のスーパーで
売っている安い牛乳は飲めない。
かといって、1リットル900円くらいする低温殺菌
の牛乳を買う気にもなれない。
大内山牛乳は、1リットル入りのパックが230円くらい
で売っているから。
ということで、「○○の美味しい牛乳」といった商品を
買うのだけど、やはり、大内山牛乳の方が美味しく感じる。

もう、大内山駅の立ち売りはいないけど、
旅人にとっては、国道42号線沿いにある
大内山ミルクランドで買うことができるね。

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