「ボートの三人男」という小説があるのだが。
いきなり、50年ほど前に話がとんで恐縮だけど、
小学館発行の「少年少女世界の名作文学」という
全集があった。私たちの世代にとっては、
公立の図書館などには、必ずおいてあったから、
読んだことがある方も多いことと思う。
いまの若い方はご存じないだろうから、
簡単に説明すると、厚さ4センチくらいの本で、
1冊のなかに3~4編の長編小説が収められている。
そんな本が50冊もあるのである。
少年少女世界の名作文学 (小学館)
で、私は小学校5年生から6年生にかけて、これを全冊、
読破している。
え、なぜかって?
私の母が買ってきたからである。
じつは、私の母の実家は本屋なのである。
そういったことから、むかしから、母は本を買うお金に
糸目をつけないところがあった。
とはいえ、1冊が500円くらいの本が50冊。
総額で約2万5千円。
いまの貨幣価値になおすと、10万円を超えるだろう。
子どもに与える本としては、決して安い買い物ではない。
私の家は、決して裕福ではなかったのだが、
そんなものを、いったい、どうやって買ったのか。
記憶をたどると、どうも、母が自分で買ったのではなく、
実家から勝手に持ってきたっぽい。
私の祖父も、店にある商売物を勝手に持って行こう
とする自分の娘に対して、孫である私のため、
と言われると、なにも言えなかったようであるw
ま、とにかく、50冊もの本が、突然、私の机の横に
どん、という感じで置かれた。私はびっくりすると同時に、
「え、これ全部、読むのかよ。」
と思ったね。
正直いって、これ以来、私はぶ厚い本に対して、
トラウマになり、厚さ4センチ以上の本をみると、
それだけでイヤになるのだが、ま、とにかく、
買ってもらった以上は、全部、読まないといけない。
もったいないもんな。
ということで、私は学校から帰ると、50冊の本を、
片っ端から読み始めた。私の人生において、あれほど
本を読んだ時期は、ほかにない。
まあ、中学に入ると、部活とか受験勉強で読書どころ
ではなかったから、小学校5~6年というのは、
じっくりと本を読むには、ちょうどいい時期だった
のかもしれないね。
で、この全集のなかに、「ボートの三人男」という小説
が収録されていた。
ボートの三人男 (中公文庫)
少年少女世界の名作文学の収録作品は、
全体的にマジメな話が多いのであるが、
そのなかで、ジェロームの「ボートの三人男」は、
あきらかに異色だった。
「ボートの三人男」のあらすじであるが、3人の男と
1匹の犬が、ボートに乗ってテムズ川をくだる、という、
ただ、それだけの話である。
その3人と1匹が、道中、いろいろな騒動をまきおこす
のだが、それがとてもおもしろかった。
私は、この全集のなかで、「ああ無情」(ヴィクトル・ユゴー)
のような暗い話は、さっさと読みとばしていたが、
「ボートの三人男」だけは、何回も読み返した。
あれから、50年が経過した。
現在の私は無類の旅好きとなり、日本全国を旅している
のだが、それは、この小説の影響が大きいような気がする。
旅のスタイルが似ているのである。
ボートの三人男は、テムズ川をくだりながら、
川原でテントを張って寝ていた。私はこの年齢になっても
キャンプなど、外で寝ることを好むのだが、それは、
この小説の影響だと思う。
また、ボートの三人男は、テムズ川の流れにまかせて、
ゆっくりと下っていく。私も自転車やオートバイを使って
ゆっくりと移動することを好むが、それも、三人男の影響
なのかもしれない。
私はいまでも、友人たちとキャンプをして、バカ話をするのが
なによりも好きである。これもやはり、三人男の影響
なのかな、と思う。
ということで、今回の記事のまとめであるが、
「ボートの三人男」という小説は、100年以上も
前に書かれた小説であるが、旅が好きな人に
とっては、いまだに、なかなかおもしろい。
よろしければ、ご一読をおすすめする。
英語で読める方は、グーテンベルクならば無料である。
Three Men in a Boat (Project Gutenberg)
http://www.gutenberg.org/ebooks/308
じつは、私はカヌーなどを使って、ゆっくりと川をくだる旅
にも興味がある。けれども、どうも、日本の川は急流が多く、
ゆっくりとくだるには不向きのようだ。
かといって、野田知佑氏のように、アラスカのユーコン川を
くだるというのは、まさに命がけであり、一般人には無理。
ということで、何日かかけて、のんびりと川をくだるという旅
に適した川というのは、世界でも意外とすくないようである。
いきなり、50年ほど前に話がとんで恐縮だけど、
小学館発行の「少年少女世界の名作文学」という
全集があった。私たちの世代にとっては、
公立の図書館などには、必ずおいてあったから、
読んだことがある方も多いことと思う。
いまの若い方はご存じないだろうから、
簡単に説明すると、厚さ4センチくらいの本で、
1冊のなかに3~4編の長編小説が収められている。
そんな本が50冊もあるのである。
少年少女世界の名作文学 (小学館)
で、私は小学校5年生から6年生にかけて、これを全冊、
読破している。
え、なぜかって?
私の母が買ってきたからである。
じつは、私の母の実家は本屋なのである。
そういったことから、むかしから、母は本を買うお金に
糸目をつけないところがあった。
とはいえ、1冊が500円くらいの本が50冊。
総額で約2万5千円。
いまの貨幣価値になおすと、10万円を超えるだろう。
子どもに与える本としては、決して安い買い物ではない。
私の家は、決して裕福ではなかったのだが、
そんなものを、いったい、どうやって買ったのか。
記憶をたどると、どうも、母が自分で買ったのではなく、
実家から勝手に持ってきたっぽい。
私の祖父も、店にある商売物を勝手に持って行こう
とする自分の娘に対して、孫である私のため、
と言われると、なにも言えなかったようであるw
ま、とにかく、50冊もの本が、突然、私の机の横に
どん、という感じで置かれた。私はびっくりすると同時に、
「え、これ全部、読むのかよ。」
と思ったね。
正直いって、これ以来、私はぶ厚い本に対して、
トラウマになり、厚さ4センチ以上の本をみると、
それだけでイヤになるのだが、ま、とにかく、
買ってもらった以上は、全部、読まないといけない。
もったいないもんな。
ということで、私は学校から帰ると、50冊の本を、
片っ端から読み始めた。私の人生において、あれほど
本を読んだ時期は、ほかにない。
まあ、中学に入ると、部活とか受験勉強で読書どころ
ではなかったから、小学校5~6年というのは、
じっくりと本を読むには、ちょうどいい時期だった
のかもしれないね。
で、この全集のなかに、「ボートの三人男」という小説
が収録されていた。
ボートの三人男 (中公文庫)
少年少女世界の名作文学の収録作品は、
全体的にマジメな話が多いのであるが、
そのなかで、ジェロームの「ボートの三人男」は、
あきらかに異色だった。
「ボートの三人男」のあらすじであるが、3人の男と
1匹の犬が、ボートに乗ってテムズ川をくだる、という、
ただ、それだけの話である。
その3人と1匹が、道中、いろいろな騒動をまきおこす
のだが、それがとてもおもしろかった。
私は、この全集のなかで、「ああ無情」(ヴィクトル・ユゴー)
のような暗い話は、さっさと読みとばしていたが、
「ボートの三人男」だけは、何回も読み返した。
あれから、50年が経過した。
現在の私は無類の旅好きとなり、日本全国を旅している
のだが、それは、この小説の影響が大きいような気がする。
旅のスタイルが似ているのである。
ボートの三人男は、テムズ川をくだりながら、
川原でテントを張って寝ていた。私はこの年齢になっても
キャンプなど、外で寝ることを好むのだが、それは、
この小説の影響だと思う。
また、ボートの三人男は、テムズ川の流れにまかせて、
ゆっくりと下っていく。私も自転車やオートバイを使って
ゆっくりと移動することを好むが、それも、三人男の影響
なのかもしれない。
私はいまでも、友人たちとキャンプをして、バカ話をするのが
なによりも好きである。これもやはり、三人男の影響
なのかな、と思う。
ということで、今回の記事のまとめであるが、
「ボートの三人男」という小説は、100年以上も
前に書かれた小説であるが、旅が好きな人に
とっては、いまだに、なかなかおもしろい。
よろしければ、ご一読をおすすめする。
英語で読める方は、グーテンベルクならば無料である。
Three Men in a Boat (Project Gutenberg)
http://www.gutenberg.org/ebooks/308
じつは、私はカヌーなどを使って、ゆっくりと川をくだる旅
にも興味がある。けれども、どうも、日本の川は急流が多く、
ゆっくりとくだるには不向きのようだ。
かといって、野田知佑氏のように、アラスカのユーコン川を
くだるというのは、まさに命がけであり、一般人には無理。
ということで、何日かかけて、のんびりと川をくだるという旅
に適した川というのは、世界でも意外とすくないようである。