遠軽から釧路まで、自転車で走った。そのつづき。
5日め 根室~霧多布(きりたっぷ) 約116km
納沙布岬では、30分ほど滞在した。
いつものことだが、自転車で来たので、いろんな人に話しかけられた。
質問はだいたい、以下の3つである。
1. どこから来たのか。
2. 日本一周をしているのか。
3. これからどこに行くのか。
1.については、「東京からです。けれども今回は遠軽まで
飛行機と列車で来て、そこから走り始めました。」
2.については、「いいえ。今回は釧路までです。」
3.については、「根室にもどります。」
というのが正確な答えである。だから、そう答える。
が、質問する方としては、もっと遠くから来て、
「日本一周をしています。これから鹿児島にむかって走ります。」
みたいな答えを期待しているので、なんとなく不満そうである。
そうしていると、ランドナーに大荷物を積んだ自転車乗りが
やって来た。彼は、本当に途中中断なしの日本一周を
やっているようである。ということで、質問ぜめへの対応は
彼にまかせ、私は北方館に避難した。
トイレを借り、出発する。
「北方領土は日本の領土」と書いたポケットティッシュが
置いてあったので、ひとつ、もらっておいた。
根室にむかって、ふたたび荒涼とした風景のなかを走る。
途中、北方原生花園というところがあった。
花が咲いていればきれいなのかもしれないが
6月13日の段階では、なにも咲いていない。
じつは、私は出発前に、ここをGoogleマップで見て、
「駐車場とトイレもあるし、キャンプができそうだな。」
と思っていた。だが、現地に来て、考えがかわった。
こんなところでテントを張って、ひとりで寝ていたら、
殺されてオホーツク海に放り込まれても、文句を言えない。
自転車乗りの方々は、ここでキャンプをするのは
やめておいた方がいいと思う。
午前11時40分ごろ、根室の町にもどった。
根室半島を一周したわけである。
さらに先にすすむ。
根室駅をすぎたところで、落石(おちいし)という案内標識に
したがって左折する。案内標識にロシア語が書いてある。
根室では町中でも、かなり頻繁にロシア語をみかける。
そんなにロシア人が多いのだろうか。
根室からは、北海道道142号線を走る。
昆布盛という駅で休憩した。
牛山 隆信氏の秘境駅ランキングで第55位である。
昆布盛駅
朝夕の通学時間帯だと、高校生の乗客がいるのかも
しれないが、いまは、昼過ぎ。だれもいない。
ひっそりと静まりかえっている。
プレハブの待合室があるが、ほとんど使われている
感じがしない。
時刻表が貼ってある。
列車は釧路方面が1日4本。根室方面が5本。
それだけ。
なんだか、廃止間近という感じがするな。
現在、JR北海道は2017年3月のダイヤ改正に合わせて、
利用客が少ない無人駅10駅を廃止する方針を発表している。
根室本線については、島ノ下駅、稲士別駅、上厚内駅が
その対象となっている。
昆布盛駅は、2017年3月廃止の対象には入っていない。
しかしながら、かなりあぶない感じがする。
まあ、JR北海道は、ひとりでも定期乗車券による
利用客がいる限り、廃止はしない方針のようだけど。
昨年3月まで、たったひとりの女子高生のために
存続していた旧白滝(きゅうしらたき)駅の例もあるし。
けれども、彼女の卒業と同時に、旧白滝駅は廃止になって
しまったから、北海道の無人駅の先行きがきびしい
ことにはかわりはないけれど。
落石から先は、原生林のなか、こんな感じの道が
約10kmつづく。
落石~別当賀(べつとうが)間の北海道道142号線
その間、人家はおろか、農作業用の小屋すらもない。
これほどまでに、なにもないところは北海道でもめずらしい。
いつ、ヒグマに遭遇して襲われても、文句が言えない。
思えば、あぶないことをしているな、という気がしてきた。
初田牛(はったうし)の駅の前を左にまがり、
霧多布(きりたっぷ)にむかう。
初田牛から霧多布までは、アップダウンの連続であった。
高さ50メートルくらいの台地状の地形を、ちいさな川が
侵食した谷がいくつもある。幹線国道であれば、
橋でわたってしまうのだが、ローカルな地方道だから
地形に忠実に道がつくってある。ということで、1kmごとに
50メートルほどの谷を登り降りしなければならない。
こう書くと、大したことないように思われるかもしれないが、
こういう道が、いちばん疲れるのである。
走行距離100kmを超えると、脚がとまってきた。
地獄の入り口が見えかけたところで、霧多布湿原に出た。
たいらな道になり、ほっとする。
シカの群れが、私を見て逃げていく。
ちいさい子鹿もいたから、家族なのだろう。
突き当たったところを左折。北海道道1039号線にはいる。
霧多布大橋をわたり、霧多布の町に。
さらに岬にむかってすすみ、霧多布キャンプ場についた。
5日め 根室~霧多布(きりたっぷ) 約116km
納沙布岬では、30分ほど滞在した。
いつものことだが、自転車で来たので、いろんな人に話しかけられた。
質問はだいたい、以下の3つである。
1. どこから来たのか。
2. 日本一周をしているのか。
3. これからどこに行くのか。
1.については、「東京からです。けれども今回は遠軽まで
飛行機と列車で来て、そこから走り始めました。」
2.については、「いいえ。今回は釧路までです。」
3.については、「根室にもどります。」
というのが正確な答えである。だから、そう答える。
が、質問する方としては、もっと遠くから来て、
「日本一周をしています。これから鹿児島にむかって走ります。」
みたいな答えを期待しているので、なんとなく不満そうである。
そうしていると、ランドナーに大荷物を積んだ自転車乗りが
やって来た。彼は、本当に途中中断なしの日本一周を
やっているようである。ということで、質問ぜめへの対応は
彼にまかせ、私は北方館に避難した。
トイレを借り、出発する。
「北方領土は日本の領土」と書いたポケットティッシュが
置いてあったので、ひとつ、もらっておいた。
根室にむかって、ふたたび荒涼とした風景のなかを走る。
途中、北方原生花園というところがあった。
花が咲いていればきれいなのかもしれないが
6月13日の段階では、なにも咲いていない。
じつは、私は出発前に、ここをGoogleマップで見て、
「駐車場とトイレもあるし、キャンプができそうだな。」
と思っていた。だが、現地に来て、考えがかわった。
こんなところでテントを張って、ひとりで寝ていたら、
殺されてオホーツク海に放り込まれても、文句を言えない。
自転車乗りの方々は、ここでキャンプをするのは
やめておいた方がいいと思う。
午前11時40分ごろ、根室の町にもどった。
根室半島を一周したわけである。
さらに先にすすむ。
根室駅をすぎたところで、落石(おちいし)という案内標識に
したがって左折する。案内標識にロシア語が書いてある。
根室では町中でも、かなり頻繁にロシア語をみかける。
そんなにロシア人が多いのだろうか。
根室からは、北海道道142号線を走る。
昆布盛という駅で休憩した。
牛山 隆信氏の秘境駅ランキングで第55位である。
昆布盛駅
朝夕の通学時間帯だと、高校生の乗客がいるのかも
しれないが、いまは、昼過ぎ。だれもいない。
ひっそりと静まりかえっている。
プレハブの待合室があるが、ほとんど使われている
感じがしない。
時刻表が貼ってある。
列車は釧路方面が1日4本。根室方面が5本。
それだけ。
なんだか、廃止間近という感じがするな。
現在、JR北海道は2017年3月のダイヤ改正に合わせて、
利用客が少ない無人駅10駅を廃止する方針を発表している。
根室本線については、島ノ下駅、稲士別駅、上厚内駅が
その対象となっている。
昆布盛駅は、2017年3月廃止の対象には入っていない。
しかしながら、かなりあぶない感じがする。
まあ、JR北海道は、ひとりでも定期乗車券による
利用客がいる限り、廃止はしない方針のようだけど。
昨年3月まで、たったひとりの女子高生のために
存続していた旧白滝(きゅうしらたき)駅の例もあるし。
けれども、彼女の卒業と同時に、旧白滝駅は廃止になって
しまったから、北海道の無人駅の先行きがきびしい
ことにはかわりはないけれど。
落石から先は、原生林のなか、こんな感じの道が
約10kmつづく。
落石~別当賀(べつとうが)間の北海道道142号線
その間、人家はおろか、農作業用の小屋すらもない。
これほどまでに、なにもないところは北海道でもめずらしい。
いつ、ヒグマに遭遇して襲われても、文句が言えない。
思えば、あぶないことをしているな、という気がしてきた。
初田牛(はったうし)の駅の前を左にまがり、
霧多布(きりたっぷ)にむかう。
初田牛から霧多布までは、アップダウンの連続であった。
高さ50メートルくらいの台地状の地形を、ちいさな川が
侵食した谷がいくつもある。幹線国道であれば、
橋でわたってしまうのだが、ローカルな地方道だから
地形に忠実に道がつくってある。ということで、1kmごとに
50メートルほどの谷を登り降りしなければならない。
こう書くと、大したことないように思われるかもしれないが、
こういう道が、いちばん疲れるのである。
走行距離100kmを超えると、脚がとまってきた。
地獄の入り口が見えかけたところで、霧多布湿原に出た。
たいらな道になり、ほっとする。
シカの群れが、私を見て逃げていく。
ちいさい子鹿もいたから、家族なのだろう。
突き当たったところを左折。北海道道1039号線にはいる。
霧多布大橋をわたり、霧多布の町に。
さらに岬にむかってすすみ、霧多布キャンプ場についた。