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ツェルトを持っているのだが

ツェルトを持っている。が、使ったことがない。


ツェルトとは、登山用の小型軽量テントのことである。
天候悪化などにより、山小屋にたどり着けない場合など、
非常時の幕営に使う。

いったい、なんでそんなもん、持っているのか。

ハナシは、約7年前にさかのぼる。
2007年の夏、私は北岳に登った。
標高3193メートルの、日本で2番めに高い山である。

北岳に登ってきた

それまで、山なんか登ったことがない私が、なんで
そんな山に登ったのかというと、まあ、いろいろとあったのだが、
とにかく北岳に登るにあたって、装備を揃えた。
また、そのとき、大学時代からの付き合いである、
山に詳しい友人に相談した。

たくさん買い揃えた私の装備を見て、友人は、
「ツェルトがないぞ。」
とか言う。私が
「いや、山小屋に泊まるから。」
と言うと、ばかやろう、と言われた。

それまで、私はツェルトというと、「ポールのない簡単なテント」
だとばかり思っていたのだが、どうやら違うらしい。
実際には、不意の天候悪化や視界悪化などにより
動けなくなってしまったとき、体温の低下を防ぐため、
頭からかぶって使うものだという。
要するに、“死なないための装備”であり、
山に行くためには必須のものだ、というのだ。
そんなこと、私は初めて知った。

山に登るのは初めて。しかも単独行。
登ろうとしている山は、3000メートル級。
山頂付近の気温は平地よりも18℃も低く、
7月とはいえ、5℃以下になることもある。
でありながら、ツェルトなど、山道具に関する知識はほとんどなし。
その友人には、「山、なめてんのか。」と言われてしまった。
私は少し反省し、帰りに御茶ノ水のスポーツ用品店に寄って
ツェルトを買って帰ったのであった。

が、結局、その北岳行きでは、ツェルトを持って行かなかった。
(^^;

経験のなさを装備でカバーする、という考え方には
賛成なのだが、ツェルトは、やはりそれなりにかさばるし、
荷物はできるだけ減らしたかった。
北岳には、ほぼ2kmごとに山小屋があるし、
夏季の登山であれば、GPSなど、道に迷わないための
装備さえ持っていけば、まず大丈夫だろう、と思ったのだ。
それでも最悪の場合に備えて、銀色のフィルムでできた
サバイバルシートだけは持って行ったけど。
結果は、とくに道に迷うこともなく、無事に登ってきた。

北岳行きで使わなかったツェルトは、その後、
ずっと、私の部屋の押入れで眠ったままであった。
が、数年前から自転車でツーリングをする機会が
多くなり、持って行くことが増えている。
考え方としては、やはり非常用であり、
ツーリング中、出血をともなうケガを負うなどの
状況で動けなくなってしまったとき、
救急車の到着を待つまでのあいだ、
体温の低下を防ぐ、という目的である。
もちろん、使ったことはない。


ということで、ツェルトを持ってはいるのだが、
7年前に買って以来、ずっと未使用のまま、という
私にとっては、限りなく不要に近い装備である。
オークションに出して売っぱらってしまおうか、と考えた
こともあるのだが、まあ、いつの日か、どうしようもない
状況に追い込まれたとき、
「持っていてよかったああああ! \(ToT)/。」
と叫ぶこともあるかもしれないから、いちおう手元に
置いておこうと思っている。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
ツェルトは、日帰りとか山小屋泊まりで山に行く人、
あるいは、一般の自転車ツアラーにとっても、
まず使うことはない装備である。が、持っておくと、
死なずにすむかもしれない。それだけ。

※ブルベなどに参加するロードスポーツ乗りは
 持っておいた方がいいかもしれない。



先日、東京では大雪になった。
ふだんは、奥多摩や丹沢などで遭難することなんか、
まず、ありえないのだが、あの日、山に入っていた人は
かなり、ヤバかったかもしれない。
ツェルトを持っているかどうかにより、
安心感はかなり変わっただろう。
そういった意味では、ツェルトは万一の場合の保険、
あるいは行動の自由度をひろげるための装備であり、
通常は使うものではないのかもしれないな。


P.S.
先日のJRバス白棚線の記事を読んでくださった方より、
「結局、どのようなルートを行けば、ゴールできたのか?」
という質問をいただいた。
いくつか可能性のある選択肢はあるのだが、
2日めの水戸駅におけるバスの運転手さんによると、
14:39発の常陸太田行きのバスに乗れば、その日のうちに
常陸大子まで行けたことは、ほぼ確実だったから、
とりあえずそれに乗ったとすると、3日めは以下のコースになる。

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第16弾 (館山~会津若松)
正解ルートの例


常陸大子駅 7:55→下野宮バス停 8:07 (茨城交通)
(徒歩3.5km)
高地原入口バス停 8:59→東館 9:20 (福島交通)
東館 9:32→棚倉駅 10:15 (福島交通)
棚倉駅 10:55→白河駅 11:48 (JRバス白棚線)
白河駅 12:45→石川駅 13:28 (福島交通)
石川駅 15:15→須賀川駅 16:14 (福島交通)
須賀川駅 16:40→郡山駅 17:16 (福島交通)




4日目は、郡山駅から磐梯熱海駅経由で会津若松に
楽勝で行くことができるね。
ま、放映を見る限りにおいては、水戸のバス案内所
における案内担当者の対応が悪すぎた。
私のようなど素人でも、ちょっと調べればすぐにわかる
上記の乗り換えを、ろくに調べもしないで、
「行けない。」とか、「その先はわからない。」とか言ってたから。
太川さんたちにとっては、ちょっと気の毒であったと思う。


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