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旅行会社のノベルティのきっぷに写真を提供した

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旅行会社主催の土讃線「秘境駅号の旅」のノベルティである
硬券きっぷに、写真を提供した。


2010年2月10日に、「坪尻はとてもダメな駅であった
という記事を掲載。そのなかで、坪尻駅に停車中の
列車の写真を掲出している。

tubo1.jpg

すると、旅行代理店の方からメールをいただき、
「鉄道ファン向けの企画旅行参加者に
配布するノベルティ用に、
この写真を使用させていただきたい。」

との連絡があった。

まあ、断る理由もないので、
「いいですよ。」
という承諾の返事とともに、オリジナルの画像データを添付して、
返信しておいた。そして、文末にはちゃっかり、
「ノベルティができたら、私にもひとつ、送ってくださいね。」
と書いておいた。(笑)


それから、だいぶ時間が経過したので、もう、忘れていたのだが、
きょう、一通の封書が届いた。
で、あけてみると、硬券のきっぷが入っていた、というわけ。

tubo1.jpg

tubo2.jpg


まあ、Blogなんか書いていると、いろんな話があるものである。
なかでも、写真の使用は、いちばん多いパターンであり、
旅行会社とか、不動産会社とか、いろんなところから、
写真を使わせてくれ、という申し入れがある。
基本的には、いかがわしい業種などでなければ、
私は、OKするようにしている。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
私のBlogに掲出している写真の使用については、
基本的には、連絡さえいただければOKですから。
事後承諾でもかまいませんから。


じつは、私自身も広告代理店に勤務していた時代、
美術館とか図書館とか、あるいは出版社とか、
いろんなところに、「写真を使わせてほしい。」
という依頼をしたものである。
いまから考えると、マーケティング局勤務だったのに、
なんだか、営業にこき使われて、制作みたいな仕事まで、
やらされたなあ...。

ま、それはともかく、こういう権利関係がからむ仕事って、
結構、手間がかかるものなのである。
その苦労をよく知っているから、
こういった申し出に対して、断れないんだよね。


夏季におけるオートバイの保管について

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夏のあいだ、乗らないオートバイを保管する方法について。


battery.jpg
バッテリーを搭載


4ヶ月ぶりに、CB750を動かすことにした。
この年齢になると、真夏にオートバイに乗る気になれない。
冬の寒さは、着ればなんとかなる。
多少、ちぢこまってしまうけど、まあ、走るぶんには支障はないから。
けれども、夏の暑さからは、逃げようがない。
高速道路で渋滞したりしたら、どうしようもないもんな。

今年の夏の暑さは、マジで異常であった。
東京では、連日、余裕で30℃超え。
35℃なんて日もあった。

そんな日に、中高年がオートバイで走りに出たりしたら、
熱中症で倒れて、救急車を呼んでもらうことになるかもしれない。
それだけはカンベンしてほしいと思うので、
この夏は、なるべく外出をひかえていた。
ということで、およそ4ヶ月、CB750に乗らなかったのである。


気温が高いと、液体は蒸発しやすい。
ということで、バッテリーから、水分が蒸発する。
CB750のバッテリーは、メインテナンスフリータイプではなく、
通常の補水するタイプだから、なおさら。

仮に、バッテリー液がレベル以下の状態で走ったらどうなるか。
最悪の場合、水素ガスに引火して爆発するかもしれない。
そうならないためには、マメに補水するしかない。
夏のあいだ、一度も補水しなかったという人は、
バッテリーの状態をチェックしてみた方がいいかも。

あるいは、夏のあいだは乗らない、というんだったら、
バッテリーをおろして、部屋のなかで保管しておくのが、
いちばん無難である。
そうして、涼しくなって乗るときに積めばいい。

バッテリーを積むときは、プラスの端子を先につなぎ、
マイナスを後でつなぐこと。
(おろすときは逆。マイナスを先に外し、プラスを後ではずす。)


もうひとつ。
最近のオートバイは、ほとんどがインジェクションだから
新しいオートバイに乗っている人は関係ないけど、
CB750のようなキャブレター式のオートバイの場合、
夏のあいだはキャブレターからガソリンを抜いておく方がいい。
キャブレター内のガソリンが蒸発してしまうと、
ガソリンに含まれている添加物が固まって、ガムみたいになる。
いったん、固まってしまうと、ちょっとやそっとでは、落ちないから。
ガソリンを抜く方法は、キャブレターのドレーンボルトをゆるめて、
ドレーンからぬく。
乗るときは、フューエルコックをオンにすればいい。


fuel.jpg
フューエルコックをオンに

ということで、バッテリーを搭載し、フューエルコックをオンに。
エンジンをかけてみる。
シュルル、シュルルル、シュルルル、フォン。
3回めでかかったね。
(^^)



ということで、今回の記事のまとめであるが、
夏季におけるオートバイの保管については、
 1.バッテリーをおろして、部屋のなかで保管する
 2.キャブレター式の場合は、キャブレター内部のガソリンを抜いておく
の2つがポイントである。それさえやっていれば、
秋には、すぐに乗ることができるから。
(メインテナンスフリータイプのバッテリー搭載車、
 およびインジェクションのオートバイは、なにもしなくてもよい。)


何年、オートバイに乗っていても、イグニッションスイッチを
オンにするときは、心ときめくものである。
ちょっと、そこらへんを流すつもりが、
50kmくらい、走ってしまった。
今年の秋は、ちょっと遠くまで、紅葉を撮りに行きたいと思っている。


お詫びと訂正

バッテリーの搭載方法および取り外し方法について、
記事掲出後、読者様より以下のようなご指摘をいただき
ました。

「バッテリーの取り外しは「マイナス(アース)からはずし、
プラスから取り付ける」だと思うのですが。アースから
はずさないと、工具や手を突っ込んだときに、ショートの
恐れがあるためだと思いましたが。」


確認してみたところ、自動車用バッテリー最大手メーカー
であるGSユアサさんのwebページに、以下のような解説
がありました。

バッテリーの交換方法
http://gyb.gs-yuasa.com/support_car/exchange/index.html

ということで、はずす場合は
マイナス→プラス
取り付ける場合は
プラス→マイナスという順番を、
メーカーでは推奨しており、私の記事は誤りでした。
お詫びを申し上げるとともに、訂正させていただきます。

エアアジア・ジャパンで輪行してみた

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エアアジア・ジャパンで自転車を運んで、旅行してみた。


carry.jpg
エアアジア・ジャパンのカウンター(成田空港)にて


久しぶりに、休みを取ることができたので、出かけることにした。
今回は、エアアジア・ジャパンを使って、北海道に行くことにする。
エアアジア・ジャパンについては、以前も記事で紹介したけど、
いわゆるLCC (=Low Cost Carrier 格安航空会社)である。
今回、私は成田~新千歳空港までの航空券 (往復)を約1万円で
予約することができた。

エアアジア・ジャパン
http://www.airasia.com/jp/ja/home.page


さらに、今回、私は自転車を運ぶことにした。
LCCだから、受託手荷物は有料。
Webで申し込むとき、「スポーツ用品」ということで予約する。

重量については、10kgまでと20キログラムまでの2段階。
私は20kgまでで申し込んだ。
私の自転車の重量は約9.1㎏であるが、
荷物を積むキャリアのほか、テントなどの装備も、
輪行袋のなかに入れて行ったもので。

成田~新千歳間のスポーツ用品受託手荷物料金(20kgまで)は
片道2,000円。往復で4,000円であった。
航空券が往復約1万円なのに対して、
受託手荷物が4,000円。

日航、全日空ならタダなのに...。

LCCの場合、たしかに航空券は格安だけど、
受託手荷物の料金は高杉である。


ということで、10月13日土曜日、成田空港第2ターミナルにある
エアアジアのカウンターでチェックイン。
輪行袋に入れた自転車を持ち込む。
セキュリティ検査の担当者は慣れたもので、

担当者 「自転車ですね。

と事務的に確認して、X線検査の機械に通す。

担当者 「タイヤの空気圧は抜いていますか。」
私    「あ、はい。半分くらい、抜いてきましたけど。」
担当者 「確認させてください。」


私は輪行袋の上からタイヤをつまみ、ぷにぷにして、
空気が抜けていることを示して見せた。
担当者もタイヤをつまんで、ぷにぷに。うなずく。
最後に、フォークのエンドに保護パーツが入っていることを確認され、
「検査済」というシールを、ペタッと貼られた。

つぎに、エアアジアの受託手荷物受付カウンターに持ち込む。
担当者は、若干、面倒くさそうだった。
ていうか、ふつうの航空会社にくらべると、
受託手荷物のスタッフの数が、圧倒的に少ないのである。
だから、ひとりひとりの負担が大きいのだろう。
そんな状況で、でっかい自転車なんか持ち込むものだから、
いい顔をされるわけはないよね。(笑)

例の 「破損しても責任は持てません」という書類へのサイン
を要求される。エアアジアの場合、その書類は英語であった。
時間がなかったから、ささっと目を通しただけなのだが、
日本の航空会社よりは、書いてあることがシンプルであった。
「破損については免責とし、自己責任で輸送することに同意する。」
くらいの表現だったと思う。

ま、ともかく、NRT→CTS (成田→新千歳)というタグをつけられ、
Fragile(=フラジャイル 壊れやすい)というシールを
言い訳なのか、おまじないなのかわからないけれど、
ペタッと貼られて、無事に受け入れられた。

で、あとはそのまま飛び立って、新千歳空港で降り、
バゲッジクレームで待つ。
私の自転車はコンベアに乗せずに、エアアジアのフタッフが
手で大事そうに持ってきてくださった。


ちなみに、LCC他社の約款によると、自転車は以下のような扱い
になっている。

ジェットスター

自転車用ケースに適切に収納されている自転車のみ
お預かりします。ジェットスターは空港で自転車用
ケースを提供しておりませんので、お客様ご自身で
ご搭乗前に自転車用のケースをご用意ください。
自転車は以下の状態で梱包されている必要があります。 

 ・タイヤの空気を抜いた状態
 ・ペダルを取り外した状態
 ・ハンドルがフレームに並行して固定されている状態
 ・自転車の全長が180cmを超える場合には、前輪を取り
 外してケース内の後輪の横に固定した状態

自転車用ケースが超過手荷物となる場合には、超過手荷物
料金が課されます。


ピーチ

自転車用ケースや段ボールなど耐久性のある保護ケースにて
適切に収納されている折りたたみ自転車のみ
お預かりいたします。Peachでは自転車用ケースを提供
しておりませんので、お客様ご自身でご搭乗前に自転車用 
のケースをご用意ください。自転車は以下の状態で梱包
されている必要があります。

 ・タイヤの空気を抜いた状態
 ・ペダルを取り外した状態
 ・ハンドルがフレームに並行して固定されている状態


注意が必要なのはピーチで、約款に折りたたみ自転車のみ
明記してある。ということで、ランドナーやロードスポーツ、MTBなどは
運んでくれないものとみられる。
「日本の航空会社のなかで、なぜ、ピーチだけが?」
とも思うが、そういうことになっているのだから、仕方がない。
ふつうの自転車を輪行したい場合、ピーチ以外のLCCを使うしかないね。

いずれにしても、LCCを使った輪行は、自転車旅行の範囲を
飛躍的に拡大してくれる。自転車の旅行者にとっては、
利用価値は大きいといえよう。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
LCCで自転車を輪行することは、多少、料金は高いものの、
可能である。それだけ。


新千歳空港についた私は、札幌までJRで輪行。
札幌駅で自転車を組み立てて、走り始めた。
その話は、またこんど。

札幌~遠軽自転車ツーリング

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北海道を自転車で走ってきた。


okajima.jpg
道の駅 マリーンアイランド岡島にて バテるtak


●走行データ
  使用した自転車   ロードスポーツ
  チェーンリング    44T-32T (2段)
  カセットスプロケット 11-32T (8段)



「日本海岸自転車の旅」というのをやっている。
要するに、私の住む立川から、自転車で日本海沿いに北上し、
宗谷岬まで行くというものである。

いい年齢をして、バカなことをやっているという自覚はある。
けれども、私の場合、オートバイでも自転車でも、
基本的に、いつもひとりで走っているから、
バカなことをやっていても、同行者に気兼ねする必要はない。
ということで、今回も、ひとりで走りに出ることにした。


現在まで、立川から出発して、JR秋田駅に達している。
ということで、つぎは秋田駅からスタートして、
北海道に渡るつもりであった。
しかしながら、ここからが難しい。
秋田より北は、冬季に自転車で走ることがむずかしいからである。
とりわけ、北海道は6月から9月いっぱいくらいまでしか、走れない。
だから、北海道が最大の難所になることは、わかっていた。

2012年の夏も忙しく、8月と9月は1日も休むことができなかった。
が、順調に仕事は片付き、私は10月に、少し遅めの夏休みをとることができた。
このチャンスをのがしたら、北海道を自転車で走るのは、
いつのことになるか、わからない。
ということで、秋田~札幌間をとばして、
札幌から先の区間を、先に走ってしまうことにした。

「最終ゴールが宗谷岬でなくていいのか!」
とか言われそうだけど、私は、あそこには、もう、4回も行っているし、
さらにいうと、騒がしいから、あまり好きなところではない。
できれば、宗谷岬は通過点にして、もっと、遠くまで行きたい。
そう、思った。


2012年10月13日土曜日。
エアアジア・ジャパンで、成田から新千歳に飛び、
JR千歳線で札幌駅まで行った。
そして、札幌駅で自転車を組み立て、
午後3時すぎ、走り始めた。


今回走ったコース
hokka2.gif

(1日め)  札幌駅~石狩市 約22km
(2日め) 石狩市~留萌市  約115km
(3日め) 留萌市~天塩(てしお)町 約112km
(4日め) (荒天のため滞留)   
(5日め) 天塩町~猿払(さるふつ)村 約141km
(6日め) 猿払村~興部(おこっぺ)町 約128km
(7日め) 興部町~遠軽(えんがる)町 約72km
  合計 約590km



cape_soya.jpg
宗谷岬にて


今回の行程の難所であるが、まあ、とくに、どこが難しいということは
なかったけど、北海道は地質年代的には若いから、海岸部の多くは
平野が形成されていない。ということで、丘→谷→丘→谷→丘→谷
という感じが延々と続き、平坦なところが少ない。
そういった意味では、まさに自転車乗り泣かせの地形である。
とりわけ、日本海がわの初山別 (しょさんべつ)から遠別 (えんべつ)
にかけてと、オホーツク海がわの枝幸 (えさし)から興部にかけての
アップダウンは、精神的にきつかったなあ。

それと、沿線の多くは原野であり、誰も住んでいない。
auの携帯電話も通じないから、クマにでも会ったら、
マジでどうしようか、と思った。
北海道で暮らしていた経験のあるmicyuさんによると、
近頃はシカが増えてしまって、山にエサがあまりなく、
クマが平地に降りてくることが多い、ということである。

...。10488694.gif

たしかに、道中、シカは頻繁にみた。
目の前に飛び出してきて、ぶつかりそうになったこともあったな。
あいつらが、木の実やキノコなどを、根こそぎ食べてしまうから、
クマが飢える、ということなのだろうか。
ま、クマにばったりと会ってしまったら、そのときはそのとき。
運が悪かった、とあきらめるしかないけど、
なるべくなら、会いたくない。
ヤバそうなところでは、ときどきベルを鳴らしながら走っていた。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
この時期の北海道は、自転車で走るには、ちょっとシーズンはずれ。
北のほうに行くともう寒いし、さらに、最近はおなかを空かせたクマが、
よく平地に出てくるそうだ。けれど、旅人が少ないから静かに走れるし、
サケ、カニなどの食べ物もおいしい。おすすめである。


今回の旅のゴールは、JR石北本線の遠軽 (えんがる)駅であった。
遠軽に来たのは、およそ30年ぶりである。
遠くまで軽い気持ちで来た、という感じの地名で、
私の旅のゴールにふさわしいところであった。
また、遠軽の人たちは、とても旅人にやさしい。
いいところである。

engaru.jpg
遠軽駅にて

天塩町鏡沼公園キャンプ場のライダーハウス

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天塩町にある鏡沼公園キャンプ場のライダーハウスに泊まった。


riderhouse.jpg
鏡沼公園キャンプ場のライダーハウス

2012年10月15日月曜日午後5時ごろ、私は天塩町にある
鏡沼公園キャンプ場に着いた。

北海道では、10月ともなると寒い。
とりわけ、宗谷地方では、夜は気温10℃をかるく下回る。
いちおう、テントを持ってきてはいるが、できれば屋根の下で眠りたい。
鏡沼公園キャンプ場は、公営のキャンプ場ででありながら、
めずらしく、ライダーハウスがある。
ライダーハウスとは、自転車およびオートバイの旅人を対象にした
簡易宿泊所である。今回、私は初めて利用した。


キャンプ場に着いた私は、まずは管理棟に行った。

私    「恐れ入ります。キャンプ場を利用させていただきたいのですが。」
管理人 「はい。テントサイトとライダーハウスのどちらにしますか。」
私   「ライダーハウスで、お願いします。」


ということで、私は200円を支払い、ライダーハウスに行った。

指示されたところに行ってみると、そこにあったのは、
プレハブでできた、6畳一間くらいの小さな建物であった。
はっきり言って、ガテン系労働者 (=ドカタ)のおじさんたちが、
工事現場で寝泊まりする小屋のような雰囲気である。
私は大学時代、ドカタのアルバイトをしたことがあるから、
こういったところで、おじさんたちといっしょに、お昼ごはんを食べたり、
お茶を飲んだりした。だから、私にとっては、まったく抵抗がない。
だが、そういった世界に足を踏み入れたことがない若い方には、
すこしだけ、抵抗があるかもしれないな。

ライダーハウスは3棟あり、男性用の2棟は完全にプレハブ小屋。
けれども、女性用はログハウス風で、少しだけ上質であった。
私は、通勤電車の女性専用車に代表されるような、
なんでもかんでも女性を優遇することが、生きるのにやさしい社会である
という、最近の世の中の風潮に対しては賛成できないのだが、
これについては、賢明な措置であると思われる。
いまどきの女性を、プレハブの小屋に寝泊まりさせたりしたら、
カルチャーショックを受けてしまうかもしれないもんな。(笑)

中に入ると、なんというか、完全にガテン系の雰囲気。
内装は表面に木目を印刷した、いわゆる化粧合板、そのまんま。
天井ちかくにロープを張り巡らせてあり、濡れたものを乾かせるように
してあるのも、ガテン系ならではの知恵である。
ああ、懐かしい雰囲気だな、と思った。

畳の上に、なにか、小さな黒いものが動いている。
近寄って、よく見ると、ダンゴムシであった。
先客ではあるが、とりあえず、外に出てもらうことにする。
ホウキではくと、くるん、くるんとまるまって、外に出ていった。
タタミのきれいな部分を選んで、銀マットを敷き、シュラフをひろげる。

riderhou2.jpg
ライダーハウスでくつろぐtak


そうして、寝る準備を整えてから、歩いて1分、100メートルの距離にある
町営の温泉施設、「てしお温泉夕映」に行く。
入湯料500円。
たっぷり1時間くらい、温泉につかり、きれいになった私は、
そこから200メートルほどのところにあるコンビニエンスストア、
セイコーマートに行った。
幕の内弁当とお茶、そして、朝ごはん用のカレーパンとソフトカツゲンを購入。
ソフトカツゲンとは、雪印の製品で、北海道限定販売の乳酸菌飲料である。

katugen2.jpg
ソフトカツゲン

あいらぶソフトカツゲン


その夜は、風雨が激しかったが、しっかりした屋根の下、
しかも、四方が壁である安心感から、私はぐっすりと眠った。




ということで、今回の記事のまとめであるが、
天塩町にある鏡沼公園キャンプ場のライダーハウスは、
1泊200円と料金が格安であるうえ、温泉まで100メートル、
コンビニまで300メートルと、非常に便利な環境にある。
見かけは多少、ガテン系っぽいけれど、泊まるだけなら十分。
女性専用棟もある。自転車、オートバイの旅人にとって、
利用価値は大きいといえよう。


あくる朝5時に目が醒めると、笑ってしまうくらいの暴風雨であった。
そのまま、シュラフに逆戻り。
午前9時ごろまで眠って、とりあえず、昨日買っておいた、
カレーパンとソフトカツゲンで、朝ごはんにした。
相変わらずの暴風雨なので、またシュラフにはいる。
お昼ごろ目が覚めると、雨があがり、いくぶん、風もおさまっていた。

どうしようか。
出発して、稚内あたりまで走ろうか。
それとも、今日はここで、もう1泊して、明日の朝から走ろうか。
少し考え、すぐに結論が出た。滞留である。
宿泊費200円。で、四方が壁、屋根があるところに泊まれて、
温泉まで100メートル、コンビニまで300メートル。
こんないい環境、めったにないもんな。
管理棟に行って、もう1日滞在する、と申し出て、200円を支払う。

...なにもすることがない。

午後3時ごろまで、文庫本を読んでいたが、私は温泉に行くことにした。
そして、午後7時ごろまで、たっぷりと湯につかり、
帰りにセイコーマートで鶏唐揚げ弁当とお茶を買って、ライダーハウスに戻る。
携帯電話で天気予報をみると、明日は晴れそうだ。
とりあえず、北海道道106号線を抜海まで北上し、
ノシャップ岬、さらに宗谷岬をまわって、猿払に抜けよう。
午後8時に就寝した。

道の駅おこっぺの簡易宿泊所

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道の駅 おこっぺにある、鉄道車両を再利用した簡易宿泊所に泊まった。


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キハ22型気動車を再利用した簡易宿泊所

道の駅 おこっぺ
http://www.hokkaido-michinoeki.jp/data/29/each.htm


2012年10月18日木曜日、午後6時ごろ、私は興部(おこっぺ)町にある
「道の駅おこっぺ」に着いた。
ここには、鉄道車両を利用した簡易宿泊所がある。
私が道の駅を訪れた目的は、それを利用させていただくためであった。
その簡易宿泊料であるが、なんと、無料無料である。
大事なことなので、2度言いました。(笑)
利用できるのは、5月~10月までである。


簡易宿泊所を利用させていただくには、必ず、道の駅の管理事務所に、
届け出なければいけない。
ということで、私も管理事務所に行って、申し出る。

私      「恐れ入ります。宿泊所を利用させていただきたいのですが。」
事務所の人 「はい。こちらに記入をお願いします。」


ということで、住所、名前、電話番号、年齢、職業などの項目がある
フォームを渡され、それに記入する。
で、簡易宿泊所に行ってみると、鉄道車両の座席を撤去し、
50センチほど床を上げ、畳をしいただけの簡素な設備である。
が、寝るだけなら、それで十分だ。
トイレと洗面所は、車両の設備を、そのまま利用している。
お風呂は付いていないけど、500メートルほどはなれたところに、
興部町営の公衆浴場がある。
ということで、自転車およびオートバイの旅人にとっては、
利用価値は大きいといえよう。


train2.jpg
道の駅おこっぺの簡易宿泊所でくつろぐtak


なお、この車両は、キハ22型気動車 (北海道仕様)である。
北海道仕様だから、乗降口がデッキとなっており、
客室との仕切り扉がある。さらに、窓は2重となっている。
防寒対策は完璧。
ただし、暖房はない。だから、春とか秋に利用するには、
シュラフなどの装備は、しっかりとしたものを持っていかなければいけない。

私が利用した夜は、ぐっと、気温が下がった。
おそらく、5℃以下まで、下がったと思う。
私が愛用しているモンベルのバロウバッグ#4は、カタログスペックでは
使用可能限界温度-6℃、となっている。
が、それは、山でもやっている人が死なない、という意味であり、
ふつうの人にとっては、5℃以下だと、よゆーで寒い。
私は、シュラフのなかに、イスカのシュラフインナーを入れ、
シュラフの外に、シュラフカバーを重ねた。
だが、まだ寒い。
そこで、自転車の輪行袋を取り出して、そのなかに入り、
ようやく、安眠できた。

いやー、死ぬかと思ったわ。(笑)




ということで、今回の記事のまとめであるが、
道の駅 おこっぺにある、鉄道車両を再利用した簡易宿泊所は、
無料で利用できるうえ、トイレ・洗面所がついているし、
近くに公衆浴場もある。自転車およびオートバイの旅人にとっては、
利用価値は大きいといえよう。


ところで、道の駅 おこっぺは、かつて鉄道の駅であった。
興部駅は、遠軽(えんがる)から名寄(なよろ)まで通じていた名寄本線と、
興部から浜頓別(はまとんべつ)まで通じる予定であった興浜南線
(こうひんなんせん)の分岐駅であったのだ。

興浜南線は、浜頓別まで行く途中の雄武(おうむ)まで開通していたが、
1980年に、あえなく廃止された。
名寄本線は、途中に紋別という大きな町があるから、
私は、「まさか廃止されることはあるまい。」と思っていたのだが、
1989年に、あっさりと廃止されてしまった。

ということで、興部駅も廃止。
北海道の人々の、鉄道に対する思い入れは大きく、
興部の人たちにとっては、とても残念なことであったと思う。

そのようなことから、道の駅 おこっぺには、鉄道歴史展示コーナーがあり、
名寄本線、興浜南線の写真や、レールなど鉄道で使われていた設備、
さらには、切符などが展示されている。
そして、簡易宿泊所は、かつて名寄本線を走っていたキハ22を静態保存
したものであり、それを、旅人のために一般開放しているというわけ。

説明が長くなって、恐縮である。
けれど、そういった事情を知らないと、なぜ、ここに鉄道車両があるのかが
わからないだろうし、また、かつての鉄道をなつかしみ、それを旅人たち
のために開放している、興部の人たちの思いが伝わらないと思うのだ。

要するに、このキハ22は、大事に使うべきだと思う。
そして、利用したあとは清掃をするなど、最低限のマナーを忘れないように
すべきだろう。それが、興部の人々の思いにこたえることだと、
私は思うのである。

JR石北本線 白滝~上川間 1日1往復の普通列車に乗った

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遠軽から普通列車に乗って、旭川に出ようとしたのだが。


engaru2.jpg
遠軽駅にて


2012年10月19日金曜日 午後2時30分ごろ、
私は、JR遠軽駅に着いた。
今回の旅のゴールが遠軽になったのは、たまたまである。
天塩で悪天候のため、1日、足止めを食らってしまって、
ここで終わらざるをえなかったのである。
計画では、網走まで行こう、と思っていたのだが。

けれども、べつに残念ではなかった。
次回は、ここからつづきを始めればいいわけだし、
それに、遠軽から乗車すると、楽しみがひとつあったから。
私は自転車を分解し、輪行袋のなかに入れ、
きっぷ売り場で、「秋の乗り放題パス」を購入。
そして、16時12分発の旭川行き、4626D列車に乗った。

鉄道ファンにとっては常識。
けれども、一般の方は、ほとんどがご存じないと思うけど、
石北本線の遠軽~上川間は、普通列車の数が極端に少ない。
下りは、上川を早朝6時16分に出る4621D列車のみ。
上りは、この遠軽を16時12分に出る4626D列車のみ。
そして、途中の上白滝 (かみしらたき)駅に停まる列車は、
この2本だけである。

1日2本しか、列車が停まらない駅、上白滝。
おそらく、 鉄道で行くことが、日本一むずかしい駅であろう。
石北本線を、特急オホーツクで完乗することは難しくない。
私自身は、1982年の夏に達成している。
けれども、石北本線を普通列車に乗って完乗し、
上白滝に停まることは非常にむずかしく、
もし、やったとしたら、鉄道ファンとして、自慢していいと思う。

こう書くと、鉄道ファンが、いかにバカな人種であるかが、
よくわかるだろう。だから、私は、こういうことは、他人には、
なるべく黙っている。そして、鉄道ファンではなく、ごく普通の旅人
のふりをして、列車に乗っている。で、上白滝駅に着いた瞬間、
心のなかで、ニンマリするのである。


列車は、定刻どおり、16時12分に遠軽を発車。
下白滝、旧白滝、白滝、上白滝と、駅名に白滝のつく駅が4つも続く。
かつては奥白滝という駅もあったが、利用者がほとんどないため、
2001年に廃止されてしまった。
上白滝駅には、日がとっぷりと暮れた、17時08分に到着した。
私は心のなかで、ニンマリした。
列車は、すぐに発車した。


次の上川駅には、18時16分に着く。
つまり、次の駅まで、68分間かかる。
隣の駅に行くのにかかる時間としては、日本一である。
ただし、ずっと走りっぱなしというわけではなく、
途中の上越 (かみこし) 信号所で20分ほど停車し、
下りの特急オホーツクと交換するのだが。

ちなみに、上白滝~上川間は34.0kmあり、
これは、石勝線の新夕張~占冠(しむかっぷ)間の34.3kmについで、
日本で2番目に長い駅間距離である。
上白滝は、「秘境駅へ行こう! 」の著者である牛山隆信氏によると、
秘境駅ランキング29位である。
1日2本しか列車が来ない上白滝が29位とは、少し意外であるが、
ま、上には上がある、ということなのだろう。

秘境駅へ行こう!
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/




ということで、今回の記事のまとめであるが、
JR石北本線の白滝~上川間は、普通列車の本数が極端に少なく、
とりわけ、上白滝駅は1日1往復、2本しか列車が停まらない秘境駅である。
また、上白滝~上川間は34.0kmもあり、68分間、駅に停まらない。
なかなか、おもしろい旅ができるから、鉄道ファンでなくても、
機会があれば、乗ってみるのもいいかもしれない。



以下は、今回の旅において、私が遭遇したハプニングについて書く。
読んでも、とくに役に立つわけでも、タメになるわけでもないから、
興味がない方は、とばしてください。(笑)

上白滝を出た列車は、なにもない原生林のなかを、坦々と走った。
自転車で590kmを走ってきて、疲れていた私は、つい、うとうとした。
15分ほど無意識の時間を過ごし、目覚めた私は、異変に気がついた。

列車が進んでいないのである。
時速10kmも出ていない。
けれども、キハ40型気動車のDMH17系180馬力のエンジンは、
はげしく、うなりを上げている。

いったい、どうしたのだろうか。

しばらくすると、列車は完全に停まってしまった。
運転士さんから、車内アナウンスがあり、
「現在、タイヤが空回りしております。」
という短い案内があった。
鉄の車輪のことをタイヤと表現したのは、一般人にもわかるように、
との配慮であろう。が、若干の違和感がある。
それはともかく、いったいどうしたことだろう。
なんらかの原因により、レールと車輪の摩擦が得られず、
登り坂で車輪が空回りしているのだ、ということはわかったが。

列車は、なおも挑戦し続けたが、とうとう、もう諦めましたわ、
という感じで、停まってしまった。そして、また短いアナウンスがあり、
「当列車は、これ以上進めませんので、白滝まで後退します。」
という。

長年、旅人をやっているけれど、こんなの初めてである。
東京で、もし、こんなことがあったら、大騒ぎだろう。
けれど、この列車の乗客は、誰も、なにも言わない。
ていうか、乗客がほとんどいないのである。
私と同じ車両には、JTBの大判時刻表を持った、
明らかに鉄道ファンとみられる乗客が、ひとりいるだけ。
前の車両には、銀色のカメラバッグを持った、
たぶん、これも鉄道ファンとみられる乗客が、ひとりいるだけ。
そして、自転車を持って、「私は鉄道ファンなんかではありません。」
という顔をしているけれど、実は鉄道ファンである私。
その3人だけであった。

つまり、まともな乗客はひとりも
いないのだった。(笑)



運転士さんが、いちばん後ろの車両に移動。
列車は、逆戻りを始める。
さきほど発車した上白滝に少し停まって、すぐに発車。
列車の交換が可能な、白滝駅に着いた。
われわれが着くと、すぐに下りの特急オホーツクが、
「遅いわい。なにしとんじゃい!」
という感じで、待ちかねたように、通り過ぎて行った。

shirataki.jpg
白滝駅

さて、われわれは、いったい、どうなってしまうのだろう。
このまま、運転打ち切りになり、白滝駅に放置されるのか。
あるいは、後続の特急オホーツクが臨時停車して、
われわれを乗せていってくれるのか。
あるいは、救援の車両がきて、もう一度、登りにチャレンジしてくれるのか。

運転士さんがやってきて、われわれにこう伝えた。
「えー、みなさんには、ここからタクシーに乗って
いただきます。タクシー代は、JRが持ちますから。」


なるほど。
それがいちばん安価で、現実的な対応であろう。
しかしながら、それだと、私は上白滝~上川間が未乗になってしまう。
「私には、普通列車による石北本線完乗という目標が
あったのですが。いったい、どうしてくれるんですか。」
と言いたかった。けど、黙っていた。

いま、それどころじゃないもんな。(笑)


運転士さんに案内されて降りると、駅前にタクシーが待っていた。
手回しがいいことである。
が、このタクシー、いったいどこから来たのだろう。
あとで、タクシーの運転手さんに聞いてみると、
村に1台しかないタクシーなのであった。
なお、地元の人は、ハイヤーと言っていた。
が、そんないいものではなく、ふつうの小型車のタクシーである。
タクシーのことをハイヤーというのは、北海道の方言なのかもしれない。

タクシーは、われわれ3人を乗せて、18時30分ごろ、
それじゃあ、行きますか、という感じで発車した。
JRの運転士さんは、頭を下げて見送る。
タクシーは白滝駅を出ると、すぐに、あたらしい自動車専用道路に入った。
しかも、無料である。
タクシーの運転手さんに聞いてみると、旭川紋別自動車道の無料区間
なのだそうだ。

われわれの乗っていた4626Dは、遠軽を16時12分に出て、
旭川に到着するのは20時05分。4時間近くかかる。
これは、途中の上越信号所で20分停車したあと、
上川でも37分間、停車するからである。
クルマであれば、自動車専用道路で、旭川まで1時間30分くらい。
まったく、勝負にならないね。

自動車専用道路の制限速度は、時速70kmであった。
運転手さんは、それを少し上回る速度で走っていた。
すると、後ろから来たトラックに、パッシングをあてられた。
運転手さんは、だまって左に寄り、先に行かせる。
トラックは、時速100kmをはるかに超える速度で走り去って行った。

旭川には、午後8時まえに着いた。
タクシー代は、2万円をかるく超えている。
私の切符は、秋の乗り放題パス (普通列車を3日間乗り放題で7,500円)。
つまり、1日あたり2,500円。
他の2人が、どのような切符を持っていたかは、私は知らない。
いずれにしても、JRとしては大赤字であろう。
なんだか、申し訳なかったな。


それにしても、キハ40はなぜ、坂をのぼれなかったのだろう。
これについては、キハの運転士さんに聞いてみたものの、
とぼけられて、はっきりと理由を教えてくれなかった。
おそらく、油分を含むなにか、落ち葉のようなものを踏んでしまって、
車輪とレールのあいだの摩擦が得られなくなってしまったのではないか。

むかしの蒸気機関車は、そういったことを防止するため、
砂箱というものを装備して、レールに砂を撒きながら走ったものだ。
けど、いまの気動車には、そんなもん、装備されていないのかもしれないな。

いずれにしても、私の普通列車による石北本線完乗は、
次回に持ち越しとなってしまった。残念である。

ライダーハウス やませさんに泊まった

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猿払村のライダーハウス、やませさんに泊まった。


yamase.jpg
ライダーハウスやませさんにて

やませさんのホームページ
http://www3.plala.or.jp/rider-yamase/


2012年10月17日水曜日 午後3時半ごろ、私は日本最北端の地、
宗谷岬に着いた。宗谷岬は、オートバイや自転車に乗る者にとっては、
ひとつの聖地になっている。私は記念写真を撮って、午後4時すぎ、
猿払(さるふつ)村にむけて、ふたたび自転車をこぎ始めた。

猿払村には、道の駅さるふつ公園がある。
ここは、道の駅にキャンプ場と温泉浴場が併設されており、
とても、便利なところである。
私は10年前に利用したことがあるが、広い芝生のサイトは
清掃が行き届いており、最高の環境であった。
湯上りに飲んだ、さるふつ牧場牛乳も、とても美味しかったし。
ということで、私はもう一度、あそこに行こうと思った。
すでに、110km走って疲れていたし、日が暮れかけてはいたものの、
猿払村まで、あと30km、こいでしまうことにしたのだった。

道の駅さるふつ公園
http://www.hokkaido-michinoeki.jp/data/54/each.htm


猿払にむかう途中には、ところどころに立派な家が建っている。
このあたりは、ホタテの養殖がさかんであり、それで財をなした
漁師さんたちのホタテ御殿とよばれる豪邸なのであった。

海岸には、ハマナスが群生しており、実がたくさんなっている。
ひとつ取って、口にふくんでみた。
弱い甘みと、強烈な酸味が口いっぱいにひろがる。
ハマナスの実は生食はむずかしく、
地元の人は、ジャムなどにして食べるようだ。

hamanas.jpg
ハマナスの実


道の駅さるふつ公園には、日がとっぷりと暮れた
午後6時ごろ、到着した。
しかしながら、運の悪いことに、雨が降ってきた。
しかも、風が強い。
前回、泊まったときも、深夜に強風でテントがあおられ、
目をさましたことを思い出した。
どうやら、このあたり、いつも風が強いところなのかもしれない。

とにかく、これでは、キャンプは無理そうだ。
そこで、道の駅から2kmほど先にある、ライダーハウスやませさんに
電話をしてみた。
留守番電話になってしまった。携帯電話の番号が案内されたが、
強い雨と風で、どうも、よく聞き取れない。
まあ、近いことだし、とりあえず行ってみることにした。
5分ほどで着いたが、やはり、宿の人はいない。
お客として宿泊している人に尋ねてみると、親切な方で、
自分の携帯電話で、オーナーに電話をしてくださった。

すぐに、宿のオーナーのご夫婦が、クルマでやってきた。
ということで、料金を支払い、無事に泊まることができた。
案内された部屋は、10畳くらいの和室であり、
とても清潔で、快適な部屋であった。
料金は、ふとんとシャワーを使用させていただき、
暖房料込みで、1,800円であった。
考えられないくらい、良心的な値段である。

少し、オーナーの奥さんと話をしたのだが、HPなどに
掲載されている電話番号にかけると、併設されている
「食事処やませ」さんにつながる。が、食事処は、いつも
午後3時ごろには閉店してしまうらしく、
それ以降は、留守番電話になるということだ。
ということで、やませさんに対する問い合わせ、予約などの電話は、
なるべく、午後3時ごろまでにすませた方が、よさそうである。




ということで、今回の記事のまとめであるが、
北海道猿払村のライダーハウスやませさんは、
とても清潔で、快適な宿であった。
オーナーのご夫婦も人柄のよい方で、気持ちよく過ごすことができた。
自転車、オートバイの旅人にとっては、利用価値が大きいといえよう。


その日の同宿の方は、自転車、オートバイの旅人ではなく、
釣り人であった。この近くの猿払川に、イトウを釣りに来ているという。
すでに、何度もこのライダーハウスを利用しているということで、
常連の方であった。

私は知らなかったのだが、彼によると、猿払川は日本有数のイトウ釣り
のポイントであるらしい。私は漫画「釣りキチ三平」で、釧路川でイトウを釣る
話を読んだことがあるので、興味を持った。その人は、昨日釣ったという
イトウの写真を見せてくださった。80センチくらいあるイトウであった。
サケ・マスの淡水魚としては、考えられないくらいの大きさであり、
顔はイワナに近かった。意外と、ほっそりとした魚であった。

イトウの生態は、長いあいだ謎であったが、最近になり、
徐々に明らかになってきたという。淡水に棲んでいながら、随時、
降海を繰り返し、大きくなるらしい。
ただし、産卵する大きさになるまで、長い年月がかかる。
そのようなことから、絶滅危惧種になりつつあるようだ。

翌朝、出発して、猿払川をわたるとき、私は自転車をとめて、
橋の上から川のなかを覗いてみた。当然のことながら、
イトウを見ることはできなかったが、遡上するサケの姿を
みることができた。
猿払川には、人の手はほとんど入っておらず、
湿原や氾濫原も、そのままのかたちで残っている。
できれば、いつまでもイトウが棲める環境であってほしいものだ。
その日は興部まで、約128kmを走った。

saru_riv.jpg
猿払川


70円でスロットル・アシストをつけてみた

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DIY店で売っているパイプ用の接続部品である ヤザキのJ-113Aを、
スロットル・アシストとして使ってみた。


throttle.jpg
CB750に装着したところ

いつも、バイクと!というBlogを読ませていただいている。
2ちゃんねるのバイクに関する話題をまとめているBlogである。

Blogを書く人は、ひところに比べて、ずいぶん減ったように思われる。
そのかわり、書き手の意識も大きくかわり、ようやくメディアとしての
位置づけを、確立したのではないか。

Blogがメディアとして機能するためには、まずは記事において
読者に伝えようとするテーマが明確であることが必要である。
だから、伝えようとするテーマが明確でない個人の日記のようなものは、
メディアとしては機能しない。なぜならば、一般の読者にとっては、
読んでも意味がないからである。そういった書き手のBlogは、現在、
ほぼ、淘汰されたように思われる。


近年、興隆を極めているtwitterやFacebookなどのソーシャル
・ネットワーキング・サービス(=SNS)はどうか。
私は、これらも、やはりメディアとしては機能していないと思う。
メディアとして機能するためには、伝えようとするテーマが明確である
とともに、やはり、ある程度の量のテキストが必要だと思うからだ。

twitterが紹介された当初、ひとりひとりのつぶやきは短くても、
それが積み重なると大きな意味を持つ、などと言われた。
しかしながら、私自身、twitterをやってみてわかったのだが、
膨大な数の人をフォローして、すべてのつぶやきを読むことは、
現実的には不可能。
ビッグデータ処理などにより、特定のテーマに関するつぶやきの数
の統計をとっても、それほど有為な意味は出てこないようだし。
ということで、現状におけるソーシャル・ネットワーキング・サービスは、
個人のコミュニケーション・ツールでしかない。

一方で、スレッドフロート型掲示板である2ちゃんねるは、
いまだに、巨大な勢力である。
2ちゃんねるは、十分、メディアとして機能していると思われる。
それは、特定のテーマ(=スレッド)に対する自由な討論の場であるからだ。
2ちゃんねるは、誹謗中傷や名誉毀損などの書き込みも多く、
まともに話のできるところではない、という印象も持たれているけれど、
読んでいると、真理をつく鋭い視点や、高い見識を持った書き込みも数多い。
そういった意味では、2ちゃんねるのまとめBlogというのは、
いろいろなジャンルのものが存在するが、わりとおもしろくて、
ためになるものが多い。私は、そう思っている。


今回、「バイクと!」というBlogのなかで、私は以下のような記事
をみつけた。

バイク乗ってる奴J-113Aって部品つけてみろツーリングが捗るぞ

j-113a.jpg
j-113a2.jpg
ヤザキのJ-113A

捗る (はかどる)というのは、2ちゃんねるの世界において、
若い人がよく使う言葉で、「便利である」、「効果的」、「効率的」くらい
の意味である。なかなか面白い表現だね。

じつは、私にはスロットル・ロックに対するニーズが、昔からあり、
かつては、大きな洗濯ばさみを使っていた。
そんなもので、いったい、どうするのかというと、
洗濯ばさみでスロットルのグリップをはさみ、
ブレーキレバーとのあいだで、回転を固定していたのである。
これは、すいている高速道路などでは、きわめて効果的であった。
けれども、ストップ・アンド・ゴーの多い市街地や、
混んでいる高速道路などでは、ほとんど使う機会がなかった。

そういったことで、大きな洗濯ばさみのアイデアはボツ

できれば、スロットルを完全に固定するのではなく、
つよく握っていなくても、一定の開度を維持することができ、
さらには、微妙な調節を行うことが可能、というものがあればいい。
そう思っていた。
そこで、見つけたのがこれ。


throttle.jpg
ラフ&ロード スロットルアシスト
http://webshop.rough-and-road.jp/products/detail.php?product_id=555671


見た瞬間、「おお、これは使えそうだな!」と思った。が、正直いって、
1,000円以上も出す気には、とてもなれなかった。(笑)
洗濯ばさみであれば、5コ入りで100円くらいで売っているもんな。

そこで、今回、これに似た形状のプラスチック部品である
「ヤザキのJ-113Aが使えるぞ」というスレッドと、それに対する
書き込みを見て、私は試してみることにしたというわけ。
で、実際につけて、東京~裏磐梯間往復の約600kmを走ってみた。


ストップ・アンド・ゴーの多い市街地では、はっきりいって、邪魔。
そういうところでは、はずしておいた方が無難だね。
けれども、国道4号線などの広い国道、および高速道路では、
きわめて効果的であった。

たしかに捗るわ。
(^^)



ということで、今回の記事のまとめであるが、
DIY店で売っているパイプ用の部品、ヤザキのJ-113Aは、
スロットル・アシストとして使うと、きわめて効果的である。
価格も70円前後と安く、気に入らなければ捨てればいい。
おすすめである。


今後、改良しようかと思う点は、内側のカドの部分が
手のひらにあたって、若干、じゃまになるので、
その部分をまるくしようと思うのと、
全体的に、あと10ミリくらい、短くしようと思う。
が、これについては、個人差もあると思うので、
読者のみなさんなりに、考えていただければと思う。

都内~成田空港 夜行バス

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「格安航空会社(LCC)に乗りたいけど、とりわけ運賃がやすい
早朝の便だと、都内からタクシーを使うか、成田周辺のホテルに
泊まらないと乗れません。結局、高くつきません?」
という質問が来た。


いや、夜行バスがありますから。

東京駅八重洲口 1:30発→成田空港第2ターミナル 4:30着 900円
成田空港交通・京成バス共同運行 東京シャトル

新宿駅西口 1:30発→成田空港第2ターミナル 3:30着 3,000円
東京空港交通

正直いって、着くのが早すぎるくらいだけど、
これを利用すれば、前泊なしでLCCの朝いちの便に乗ることが
できますから。 (注意:どちらも、要予約)


自転車を乗せられるかどうかについては、
東京空港交通のバスは、輪行袋に入った状態で、
縦50cm×横60cm×高さ120cm、重さ30kg以内なら
乗せてくれると明記してある。私自身も、羽田~立川の便に
自転車を乗せてもらったことがある。
成田空港交通の東京シャトルは、webには書いていない。
問い合わせてごらんになるといいだろう。

福島県に行ってきた

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二本松から裏磐梯方面を、オートバイで走ってきた。


fukushima.gif
今回走ったコース

東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から、
はやいもので、もう、約1年8ヶ月が経過した。
そのあいだ、私はずっと、福島県のことが気になっていた。
が、福島県に行くのは、気が重かった。
放射能が怖いというよりも、不謹慎だと思ったからだ。
みんなが、つらい思いをしている。
そんなところに、オートバイや自転車で、ふらっと遊びに行く、
というのは、人として、やっていいことなのだろうか。
そのように思って、私はなかなか、福島県に足が向かなかった。

けれども、このごろは、福島もかなり立ち直ったようにみえる。
数々の観光客の誘致策もうち出されているし。
もう、そろそろ、行ってもいいかな、と思った。
そこで、10月の末、二本松から岳温泉、裏磐梯をまわって、
日光に抜けるというコースで、日帰りではあるが、オートバイで
走ってきたのである。

国道4号線を北上し、黒磯をすぎて、かつて白河の関のあった
白河市に入ると、いよいよ福島県にはいる。
矢吹、須賀川、郡山と走りぬけた。
案外、みんな、ふつうに暮らしている。
正直いって、ちょっと、意外だった。
二本松で国道4号線を降り、国道459号線へ。

岳温泉 (だけおんせん) を通る。
江戸時代から続く、歴史ある温泉地である。
観光客の姿も多く、そこそこに賑わいをみせている。
ニコニコ共和国国会議事堂と書いた建物が残っている。
いまとなっては、「なんのことか?」と思われる方も、多いと思う。

1980年代において、日本各地で、ミニ独立国ブームが起こった。
井上ひさしの小説「吉里吉里人」の影響もあったと思われる。
岳温泉も、そのブームに便乗し、ニコニコ共和国を名乗った。
もちろん、観光客の誘致を目的にした、話題づくりである。
当時は、観光客も増え、それなりに盛り上がったが、
その後、自然消滅という感じで、終わってしまった。
ニコニコ共和国国会議事堂は、当時の名残であろう。

土湯 (つちゆ)トンネルを抜け、裏磐梯レークラインに入る。
福島県内の観光道路は、東日本大震災復興支援の一環として、
2012年11月15日まで通行料金が無料であった。(現在は冬期閉鎖)
紅葉が美しい。
中津川渓谷というところでオートバイをとめて、紅葉をみる。
地元の人によると、1周間前がピークということで、
いまはちょっと、色あせているそうだ。

bandai4.jpg
中津川渓谷


さらに走る。
五色沼に着いた。ここでも紅葉はピークをすぎたようである。
ちょっと残念である。

bandai3.jpg
五色沼


裏磐梯ゴールドラインに行く。
途中に、磐梯山がきれいに見えるポイントがあるのを覚えている。
そこに行ってみた。
晩秋の磐梯山は、あいかわらずきれいだった。
地震も、津波も、原子力発電所の事故も、
なにもかもが、なかったかのようである。

bandai1.jpg
磐梯山


6×4.5の中判フィルムカメラで、磐梯山を撮っている人がいたので、
少しだけ、話をした。
地震のときは、このあたりも、かなり大きく揺れたそうである。
その後、福島県には、観光客がほとんど来なくなり、
ひっそりとさびしくなったそうだ。
ということで、観光産業は大打撃を被ったという。
最近になり、ようやく観光客も戻りつつあり、
活気が戻りつつあるということだ。

「ま、ここで生きていくしかないですから。」
その人は、そう言って、明るく笑った。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
福島県はいま、通常どおり、営業していますから。


ちなみに、福島第一原子力発電所事故の、その後の状況であるが、
二本松あたりの放射線量は、0.7~0.9μシーベルト/時。
これは、立川あたりの放射線量の約10倍である。
福島市内だと、1~1.3μシーベルト。
福島第一原子力発電所から、約60kmもはなれたところですら、
そんな状況なのである。原子力発電所の周辺だと、
10ミリシーベルトを、よゆーで超えるから。

情報源  新・全国の放射能情報一覧


また、福島第一原子力発電所から放出される放射性物質の量は、
2011年12月の時点で、6千万ベクレル/時。
じつに、それだけの放射性物質が、いまもなお、漏れ続けているのだ。
これは、現時点においても、ほとんど変わっていないものと思われる。

さらにいうと、現在、原子炉の格納容器付近は、強い放射線により、
近づくこともできない。すくなくとも、今後30年くらいは、
そんな状況が続き、その間、なにもすることができないだろう。
ということで、広島クラスの原爆が、30年くらいかけて、
ゆっくりゆっくりと、爆発しているようなもんである。

もう、みんな忘れかけているけれど、
状況は、なにも変わっていない。


しかしながら、今日とか明日、いきなり大爆発するというような状況
ではないし、福島の人たちは、みんな元気に暮らしている。

PCX売れてるよなあ

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ホンダの125CCスクーターPCXが、爆発的に売れているようだが。


pcx.jpg
PCX  写真出所:本田技研工業

ウチのマンションにも、PCXに乗っている人が2人もいる。
2人とも、中高年。
で、話を聞いてみたのだが、なかなかイイらしい。

まず、燃費がいい。
カタログスペックでは、60km/h定速走行値が52km/リットルだけど、
実燃費は、さすがにそこまではいかないようで、
概ね、40~45km/リットルといったところらしい。
そんだけ走ってくれれば十分である。


それにカッコいい。
前後14インチのホイールは、十分な存在感がある。
すくなくとも、ビンボくさくない


さらに、もっとも重要なのが価格。
なんと、29万9,250円!
ハーレー1台でPCX10台、買えちゃうじゃん。(笑)

こりゃ、買いだわ。



ということで、いま、PCXは大人気で、予約後半年待ちとか。
オートバイ市場が縮小するなかで、ひさびさのヒットだね。

私自身は沖縄に行ったとき、レンタルバイクでホンダの
スペーシー100を借りたことがある。
そのとき、125CCまでの原付2種は、もっと見直されてもいい
クラスだな、と思った。
49CCまでの原付1種は、制限速度が30km/hまでだし、
2車線以上ある道路では、2段階右折をしなければならないとか、
いろいろと制約がある。それに対して原付2種は、高速道路とか
自動車専用道路を走ることができないということのほかは、
普通のオートバイと変わらないもんな。
原付2種、最強である。


私は、これまで24年間、オートバイに乗ってきたけど、
その経験からいえるのは、はっきり言って、オートバイの排気量なんて、
90CCもあれば十分であるということ。
それ以上の排気量に乗っているのは、見栄以外のなにものでもない。
あるいは、「大型でないと、わからない世界がありますから。」などと
知ったふうなことをぬかすバイク屋に騙されているだけである。
いま、PCXが売れているのをみると、そのことは、みんな、わかっていた
んだな、と思う。
じゃ、わかっているんなら、みんな原付2種に乗れよ、と思うけど、
なかなか、それができないんだよね。(笑)



現在、CB750に乗っている私が、次にオートバイを買うとしたら、
やはり、400CC以上のオートバイを買うのかというと、
じつは、そうでもなかったりする。
体力の衰えが、はげしいから。(笑)
現在、56才の私の体力だと、235kgのCB750でも、ガソリン満タンで、
しかも、登り坂でころがしたりしたら、起こすのに苦労するのである。

250kg以上の大型オートバイなんか、
もう、絶対に乗れないね。

300kg以上もあるハーレーなんか、
ころがしたところを想像するだけで、
身の毛もよだつわ。(笑)


はっきり聞くけど、みんな、60才以上になったとき、
200kg以上のオートバイをころがしたら、自分で起こせるか?

...自信ないよね。
(^^;

そのように考えると、重量128kgのPCXを中高年が買うのは、わかるような気がする。
そういった意味で、PCXは大人のオートバイなんだろうね。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
PCXがよく売れているし、その理由はよくわかる。
ご近所で買っている人をみると、みんな大人になったんだなあ、
と思う。(笑)
私も、つぎに買うオートバイは、たぶん、PCXである。


ちなみに、私自身は、オートバイを起こせなくなったときが、
オートバイを降りるとき、と決めている。
当然だよね。運転免許試験の事前審査にすら、合格できないもんな。(笑)

※いちど運転免許試験に合格したのだから、もういい、というものではない。
 運転をするためには、最低限、教習所や試験場で要求される技量と知識
 を維持する義務があるのである。 「許可制」というのは、そういうことである。
 (一部の読者から質問があったので、念のため。)

だから、私はCB750に乗り続けることができるように、ときどき、
スポーツジムに行って、背筋力を鍛えている。
けれど、体力は、それ以上に、どんどん衰えていくね。
こまったもんである。(笑)

抜海はあいかわらず最果ての駅だった

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JR宗谷本線の抜海(ばっかい)駅を訪れた。


bakkai.jpg
JR宗谷本線 抜海駅

2012年10月17日水曜日、午前9時30分ごろ、
私は、JR宗谷本線の抜海駅を訪れた。
午前6時ごろ、天塩の鏡沼キャンプ場を出発。
北海道道106号線を、日本海沿いに約55キロメートル、
北上すると、T字路に突き当たる。
そこが抜海の町である。
なにもないところである。


DR106.jpg
北海道道106号線


10年前に訪れたときは、雑貨屋さんが1軒あったけど、
どうやら、なくなってしまったようだ。
で、そのなにもない町から、さらに2キロメートルくらい
はなれたところに、JR宗谷本線の抜海駅がある。
町と駅が離れていることは、よくあるけれど、
抜海の場合、極端である。

駅舎は古い木造。
木造駅舎としては、最北端である。
Wikipediaによると、抜海駅が開業したのは1924年
だそうだから、その当時からの建物だろう。
駅の周辺には、人家が2軒ほどあるだけ。
典型的な秘境駅である。

bakkai3.jpg
抜海駅入口にて

bakkai2.jpg
抜海駅の駅舎


抜海の港では、これからゴマフアザラシが越冬に集まってくるという。
5月の連休ごろまで、抜海港にはアザラシ観察所が開設され、
アザラシの観察ができるそうである。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
JR宗谷本線の抜海駅は最北端の木造駅舎であり、
最果ての駅である。
それだけ。


じつは、私が抜海駅を訪れたのは、3回めである。
1回目は、34年前。大学時代に鉄道で来た。
2回めは、10年前。オートバイで来た。
そして、今日が3回めの訪問。チャリ(自転車)で来た。

以前に来たことがある場所に来て、長い年月が経過している
にもかかわらず、その場所が、なにも変わっていないと、
なんだか、不思議な気分になる。

この34年間に、私自身には、いろいろなことがあった。
大学を卒業して、就職して、結婚して、子どもができた。
子どもたちを育てるために、生きてきた。
その子どもたちも、上の子は今年、大学院を出て就職。
下の子も、今年、大学を卒業する。
ふたりとも、もうすぐ私のもとを去り、巣立とうとしている。

そして、私自身は、確実に老いている。
若い頃は、パンパンに筋肉がはりつめていた肉体は、
いまや、みるかげもない。
私は若いころ、バスケットボールをやっていたので、
垂直跳びは90センチを超え、1500メートルも4分30秒台で走った。
はっきりいって、自転車では誰にも負けたことがなかった。
その脚力も、いまや衰えまくり、ここまで55キロ走っただけで、
もう、バテバテであった。(泣)

けれども、健康にめぐまれ、病に倒れることなく、
ふたたび、ここに来ることができた。
それだけでも、幸せなことなのかもしれない。

あと何年かしたら、私はもう、自転車なんかに乗れないだろう。
そうなる前に、ここに再訪することができてよかった。
そう思った。
私が抜海駅に、4回目の訪問をすることは、おそらくないだろう。

ブログでの商品紹介がヤバい件

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個人の趣味としてブログを書いている人にとって、
特定のメーカーの製品、あるいはサービス提供事業者
を紹介することは、ヤバい時代になるのかも。



最近、芸能界で話題になったニュースとして、
自分のブログにペニオクの紹介記事を掲載するという、
いわゆるステマ (=ステルス・マーケティング)をやったことにより、
女性タレントさんが警察に事情を聞かれたというものがある。
ブログを書いている者としては、当然のことながら、
大きな関心を持たざるをえない。

じつは、2012年12月5日に、日本アフィリエイト協議会が
「日本アフィリエイト協議会の概要、およびアフィリエイト業界
の問題と対応について」という文書を出しており、
業界団体自らが、ステマの違法性と対応の必要性を認めている。

消費者庁Webページより 
 「日本アフィリエイト協議会の概要、および アフィリエイト
  業界の問題と対応について」

  http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/121205shiryo7.pdf


要するに、「これからはブログでステマはダメよ。」
消費者庁および関連業界団体自身が言っているのである。
今回、女性タレントさんが警察に事情を聞かれたというのは、
そういったことも、その背景にあるのかもしれない。

まあ、それにしても、その女性タレントさんが記事を書いたのは
2年も前の話である。その当時、ステマの違法性については、
一部で指摘はあったものの、完全にダメということはなかった。
それゆえ、そのタレントさんが事実を公表して、
すなおに謝ってしまったのを見て、私などは逆に、
「正直な人だな。」
と思ってしまったが。まあ、あまりホメられた行為ではなかった
ことは事実だけどね。


ところで、ステマに違法性があると業界団体自身が認めたことにより、
私たち、一般のブロガーにとっても、今後は影響がありそうだ。
なぜか。
その前に、ブログの運営者にとっては、ブログはビジネスとして
やっていることをご理解していただきたい。

そりゃ、そうだよな。

儲からなければ、誰もやるわけないもんな。
では、ブログの運営者は、どこから収益を得ているのか。

ブログ運営者にとっての収益源
 ①バナーなどの媒体広告
 ②アフィリエイトなどの成功報酬型広告
 ③記事中で商品を紹介するパブリシティ型広告


以上の3つが中心。
要するに、広告収入を得るためにやっているのである。
ブログというものは、有名人だけでなく、一般人のブログにおいても、
じつは広告だらけなのである。
アメーバブログなどは、芸能人のブログを売り物にしており、
1回の広告出稿料金が60万円から300万円であることを明記している。

ameblo.gif
アメーバブログの料金表 出所:アメーバ (株式会社サイバーエージェント)


ここまで、はっきりと料金が表示されていると、かえってすがすがしいよね。
まあ、アメーバブログにブログを書いている芸能人といっても、
みんなガンガン広告を出してもらって、バンバンお金が儲かっているという
状況ではないようだけど。
私が愛読している 木村裕子さんのブログ なんか、数少ない広告主しか
ついていないようだし。
そりゃ、「トンネル内で線路が分岐するのは、日本でここだけー!」(石勝線)とか、
そんな、完全に自分の趣味で記事を書いているブログに対して、
いったい、誰が広告を出すというのか。
ファンとしては、少々、心配になるのだが...。

ま、それはともかく...。



ところで、私のブログの場合、広告標示機能はオフにしているし、
アフィリエイトなども、一切、やっていない。
ブログを書いてはいるが、儲かることはまったくない。
え? じゃあ、なんでブログを書いているのかって?

趣味です。(きっぱり)

バカまるだしだけど、日本には、私のように、完全に趣味で
ブログを書いているバカ人が、2万5千人くらい、存在する。
まあ、私の場合は、じつは、仕事が文章を書くことなので、
少々、リラックスした文体でブログの記事を書くのは
いい気分転換になるし、また、情報や考えを短くまとめて、
記事として発信するというのは、いいトレーニングにもなる。
だから、完全に趣味であるとは言いがたいのだけど、
それでも、営利目的でブログを書いているわけではないからね。

けれども、報酬を得ているわけではないとはいえ、
特定メーカーの製品に対する評価や、あるいは飲食店など、
サービスを提供する事業者を記事のなかで紹介することが、
その事業者にとって、ビジネス上、有利にはたらく可能性は否定できない。
そして、仮に記事で紹介した製品に問題があったり、
飲食店などがトラブルを起こしたりした場合、記事を書いた私はどうなるのか。
違法性のあるビジネスに加担したことになるよね。

その際、私は責任をとわれるのか。
現状では、限りなくグレーである。
ステマの違法性は、記事としてとりあげることにあるのであり、
報酬をもらっているかどうかは問題ではないからね。
まあ、過去記事にさかのぼってまで削除することもないとは思うけど、
やはり、今後は、やめておいた方が無難であると思う。
趣味でやっているのに、わざわざ、やばい領域に踏み込む必要はないからね。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
2012年12月以降、ブログなどにおけるステマ行為に対する規制と
検挙が強化された。報酬をもらっているわけではないとはいえ、
特定のメーカーの製品や、飲食店などのサービス提供事業者を
実名をあげて紹介するのは、今後はやめようと思う。


ま、そんなこといったら、ソーシャル・ネットワーク自体が、
ステマそのもの
なんだけどね。
価格比較サイトなんか、ステマだらけだし。
そうでないことを売り物にしてきたmixiなんか、
いまや、シェアは2%を切っており、完全にオワってるもんな。

一方で、新聞・雑誌業界だって、製品やサービスについて
お金をもらったうえ、記事でとりあげるなんてのは日常茶飯事である。
こういうのをパブリシティというが、私なんか、広告代理店に
勤務していた時代、パブリシティの原稿を書きまくっていたもんな。
TV番組でも、サザエさんの家に東芝の最新の家電製品があるのは
一般人のあいだですら常識であるし、そうなると、どこまでがステマであり、
どこからがステマでないかは、非常にあいまいなのである。

が、なにも、特定メーカーの製品やサービス事業者の宣伝をして、
捕まることはない。
そのあたりは、賢くならないといけないよね。

本年もどうもありがとうございました

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いつも、当Blogをお読みいただき、どうもありがとうございます。


毎年、冬になると、外出時にいつも持っている
ミュージック・プレイヤーの曲目を冬用に入れ替える。
ミュージック・プレイヤーは、4年前にドンキで1980円で買ったもの。
選曲機能がないので、ランダムに流しっぱなし。(笑)
曲目は以下である。

 Can't Wait 'Til Christmas  宇多田ヒカル
 Dear Again  広瀬香美
 Happy X'mas (War Is Over)  ジョン・レノン
 Have Yourself A Merry Little Christmas  山下達郎
 Holy Hold Me  MISIA
 It Came Upon A Midnight Clear   The Singers Unlimited
 Jingle Bell Rock  山下達郎
 Keep Christmas With You  セサミ・ストリート
 Last Christmas  Wham!
 Last Christmas Eve  矢沢永吉
 Let It Smile   MISIA&久保田利伸
 Merry Christmas To You 辛島美登里/小林明子/麗美/飯島真理子
 Mr. Santa Clause  杏里
 Silent Night  山下達郎
 The Christmas Song  竹内まりや
 Welcome to Christmas   東京ディズニー・リゾート
 White Christmas  山下達郎
 Winter Song  ドリカム
 クリスマス・イブ  山下達郎
 クリスマス・キャロルの頃には  稲垣潤一
 クリスマス・ラブ  サザン・オールスターズ
 クリスマスの願い  松田聖子
 クリスマスの扉  須藤薫
 クリスマスは一緒に  竹内まりや
 ゲレンデがとけるほど  広瀬香美
 サイレント・イブ  辛島美登里
 すてきなホリデイ  竹内まりや
 メリクリ  BOA
 心こめて  ベッキー
 雪だより  松任谷由実
 雪のクリスマス  ドリカム
 白い恋人たち  桑田佳祐
 抱きしめたい  Mr. Children





みなさまからの励ましのメッセージのおかげで、
今年も1年間、記事を書き続けることができました。
感謝申し上げています。
みなさまにとって、来年がいい年でありますように。
そして、どうか、みなさまが健康でありますように。

古宇利島の海

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沖縄に行ってきた。


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古宇利大橋の上からみた古宇利島の海


新年、あけましておめでとうございます。
今年もオートバイや自転車を使った旅が好きな人にとって、
読むと、ホンの少しだけタメになるBlogをめざして、
記事を書いていきたいと思います。
どうかよろしくお願い申し上げます。
m(_ _)m


年末年始の休みに、家内といっしょに沖縄に行ってきた。
私も家内も、沖縄には何回か行っているので、
もう、とくに行きたい場所はない。
そこで、古宇利島 (こうりじま) に4日ほど滞在して、
のんびりと過ごすことにした。

古宇利島は、沖縄本島の北部にある島。
周囲は約8km、人口は約360人である。
7年前に屋我地島 (やがぢしま) とのあいだに
古宇利大橋が完成し、沖縄本島と結ばれている。
個人的には、沖縄本島から直接行ける島ののなかでは、
いちばんきれいな島であると思っている。


那覇空港ちかくでレンタカーを借り、古宇利島にむかう。
名護を過ぎ、真喜屋という交差点を左折。
奥武島 (おうじま)、屋我地島を経由して、沖縄県道247号線へ。
すぐに丘の上に出て、長く伸びた古宇利大橋とともに、
亜熱帯独特の色の海に囲まれた古宇利島を望むことができる。

約6年前、開通したばかりの古宇利大橋を渡るため、
私はここを訪れた。そのとき、初めてこの風景を見て、
その美しさに、私は思わず息をのんだものである。

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古宇利大橋を見下ろす

島に一軒だけあるゲストハウスに滞在した。
ゲストハウスとは、沖縄に多くある簡易宿所であり、
食事などを提供しない代わりに、格安の料金で宿泊する
ことができる施設である。宿のご主人は気さくな方で、
快適に過ごすことができた。


あくる日も、よい天気であった。
古宇利大橋の上からは、エメラルドグリーンの海を
間近に見ることができる。
古宇利大橋の全長は1,960メートル。家内に、
「2kmくらいだから、歩いても、たいしたことはないさ。」
と言って、いっしょに渡りはじめる。
のんびり歩いて、約25分で対岸の屋我地島に着いた。

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古宇利大橋の上からみた古宇利島

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海の色

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古宇利大橋全景 (屋我地島がわにあるパーキングエリアから)


さて、戻らなければいけない。
ここではじめて、また2km歩かなければ、帰れないことに気がついた。
結局、往復4kmを歩いた。
冬だったから良かったけれど、真夏だったら、脱水症状を起こして、
生命が危なかったかもしれないな。
「あなたって、2×2の掛け算もできないのね。」
と家内に言われてしまった。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
沖縄本島北部にある古宇利島は、とても美しい島である。
それだけである。


古宇利島に行ってみたい、という方に注意事項をひとつ。
古宇利島にはハブがいる。
しかも、すごくたくさんいるらしい。 (宿の主人談)

なぜ、古宇利島にハブがいるのかというと、
氷河期時代が終わり、海面が上昇した時期においても、
古宇利島は、完全には水没しなかったから、と考えられている。
小さな島のように見えるが、もっとも標高が高いところでは、
約106メートルもあるから。
ハブは夜行性だから、昼間、咬まれることは稀らしい。
けれども、咬まれると、かなりヤバいようだ。
サトウキビ畑や、道路脇の茂みには、むやみに入らない
ほうがいいものと思われる。

沖縄レンタカー・レンタルバイク事情

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沖縄は日本で唯一、レンタカー・レンタバイクが実用的に
機能している場所だと思われる。


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今回私が借りたレンタカー

沖縄を旅行するとしたら、まず、考えなければいけないのはアシ、
すなわち、交通機関である。

沖縄には、鉄道はない。
かつては、那覇から嘉手納(かでな)、与那原(よなばる)
および糸満(いとまん)までの路線を持っていた沖縄電気軌道
なる会社が存在した。しかしながら、戦後、復活することはなかった。
現在は、那覇空港から首里をむすぶ「ゆいレール」があるが、
あれは鉄道ではなくモノレール。
距離も、わずか12.9kmしかないもんな。
ということで、島内の移動はバス、タクシーなどの公共交通機関を利用するか、
もしくは、自分でクルマ、オートバイを運転するしかない。

その公共交通機関であるが、バスはわりと高い。
たとえば、那覇空港から、今回、私たちが滞在した古宇利島(こうりじま)
に行こうとすると、まずは那覇空港から名護バスターミナルまで
行かなければいけない。
この料金が2,130円。
名護バスターミナルからは、沖縄バス・琉球バスの屋我地(やがぢ)線に乗って、
運天原(うんてんばる)まで行く。
この料金が710円。
ここから、徒歩3キロ。
つまり、ひとり片道で2,840円もかかったうえ、
30分も歩かなければいけないのである。

まあ、古宇利島までなら、まだいいけど。
沖縄で最も北にある集落の奥(おく)まで行こうとすると、
那覇から名護バスターミナルまでのほか、
名護バスターミナルから辺土名(へんとな)までが1,020円。
そして、辺土名から奥までが600円。
つまり、3回も乗り換えることが必要なうえ、
料金は、ひとり片道3,750円もかかる。


そのようなことから、沖縄ではレンタカーが利用されることが圧倒的に多い。
観光地の駐車場などでは、「わ」ナンバーがずらりとならぶ。
レンタカーの利用については、大手のレンタカー会社もあるけれど、
中小規模で格安のレンタカー屋さんも数多く存在する。
楽天トラベルなどで検索すると、たくさん引っかかってくるから。

今回、私が借りたのも格安のレンタカーである。
4泊5日で約12,000円であった。
7~8年前の日産キューブで、すでに12万キロ以上走っているクルマだったけど、
しっかり走ってくれた。
「クルマなんて、屋根がついていて、ちゃんと走ってくれれば問題ない。」
と思っている人にとっては、十分である。

レンタカーを利用される方に、注意事項を。
レンタカー屋さんの多くは、那覇空港から少しはなれたところにある。
沖縄を訪れる観光客の多くがレンタカーを利用することから、
帰りの客が集中する週末の午後などは、周辺の道路は大渋滞となる。
そうして、予定していた飛行機に乗り遅れる人も多いようだ。
レンタカーの返却については、なるべく早めに行ったほうがいい。
それと、みんな、乗りなれないクルマに乗るものだから、
すごく、事故が多いということである。
保険に加入することはもちろん、気をつけて走るにこしたことはないだろう。


オートバイ乗りにとっては、レンタルバイクも気になるところである。
50CCまでの原付1種、125CCまでの原付2種のほか、
250CC、400CCクラスまで、たくさんのレンタルバイクがある。
私自身は、スペーシー100を1週間借りたことがある。
料金は1週間で1万円もしなかったな
沖縄をオートバイで走る快感は、筆舌に尽くしがたい。
沖縄独特の色の海を見ながら走るのは、最高である。
でも、借りるとしたら、夏以外の季節がいいと思うけど。

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以前に私が借りたレンタルバイク (スペーシー100)



ということで、今回の記事のまとめであるが、
沖縄観光におけるアシは、レンタカー、レンタルバイクの利用が
料金も安く、便利である。それだけ。


レンタカーで目立つのは、韓国のヒュンダイ車。
内地では、まず見かけないけれど、沖縄島内のレンタカー屋さんでは、
わりとよく利用されている。
沖縄に行くたびに、乗ってみたい、と思っているのだけど、
残念ながら、一度もヒュンダイ車にあたったことはない。
どんな感じなんだろうな。

沖縄美ら海水族館に行った

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沖縄美ら海水族館 に行った。


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「黒潮の海」の水槽で泳ぐジンベエザメ


私たち夫婦は、古宇利島(こうりじま)に4日間、滞在し、
島をぶらぶらと散歩したり、宿にあるテラスに寝転んで海を見たりして、
のんびりと過ごしていた。
食事は宿の台所を使っていいことになっているので、
島に一軒ある雑貨屋さんで、カップめんやパンなどを買ってきて
自分たちでつくって食べていた。

そうしていると、3日めに、宿のご主人に、
「お客さんたち、観光とか、しないんですか?」
と言われた。

それもそうだな。

せっかく沖縄に来たのに。しかもレンタカーもあるのに、
どこへも行かないというのも変である。
そこで家内に、「どこか、行きたいところはあるか。」と聞いてみた。
とくにない、という。
ならば、出かける必要はない。
だが、宿のご主人に変な客と思われるのもイヤなので、
とりあえず出かけることにした。

で、どこに行くか。

沖縄に来たのなら、やはり、沖縄美ら海水族館
に行くしかないだろう。
あそこに行けば、1日、時間をつぶせるし。

ということで、朝10時ごろ、宿を出た。
古宇利島から沖縄美ら海水族館のある本部町(もとぶちょう)は近く、
30分くらいで着く。
入館すると、まっすぐに「黒潮の海」の水槽の前に行く。
ゆったりと泳ぐジンベエザメやマンタを見ていると、
1時間くらい、すぐに過ぎてしまう。

よく見ると、水槽の底に積み重なって、寝ているサメがいる。
ナマズのような顔をしているサメで、オオテンジクザメとか
いうらしい。
ジンベエザメやマンタといった人気者が、一生懸命泳ぎまわって
客を喜ばせているのに、寝ているとはなにごとか。

おい、おまえら、仕事しろよ。
そう思って、そばに行って、手を振ってみた。
けど、死んだように寝ている。
どうやら、夜行性のサメらしい。
こいつら、いつ仕事をしているんだろうか。

家内にそのことを話すと、
「べつに派遣じゃないんだから。
ゆっくり寝かせてあげなさいよ。」

とか言う。なるほど、それもそうか。
それにしても、派遣労働というのは、それほどきついものなのか?


寝ているサメをほうっておいて、エレベータで水槽の上に出た。
水面の上からみるジンベエザメも、なかなかのものだ。
なんたって、8メートル以上もあるサカナが泳いでいるのである。
マジでびっくりするから。


shark2.jpg
水槽の上からみるジンベエザメ


ジンベエザメをボーッと見ていたら、飼育員の方に声をかけられた。
「いまから、サンゴの海でエサをやりますよ。」
とかいう。
そのエサを見せてもらうと、イカ、ワタリガニ、キビナゴなど。
なかなか、いいものを食ってやがるな。
「下に降りて、水槽の前で見るといいですよ。」と言われたので、
エレベータで下に降り、サンゴの海の水槽の前に行った。

すでに給餌がはじまっており、水槽の前で解説する人と、
先ほど会った飼育員の方が無線で話をしている。
「つぎはイカをあげます。」とか、「ワタリガニをあげますね。」
などと言って、エサを投入するのである。
とたんに、水槽のなかの魚たちが大騒ぎになる。

coral.jpg
サンゴの海の水槽


給餌が終わって、静かになった水槽のなかを見てまわる。
アカマツカサという魚は、キンメダイに似ている。
煮付けにしたらおいしそうだな、と思った。
すると、岩陰の暗いところに行ってしまった。

私たちも、おなかがすいたので、食事にする。
館内の食堂はいっぱいなので、外に出かけることにした。
沖縄美ら海水族館は、一時退出ができる。
入り口のところで、手にスタンプを押してもらえばいい。
スタンプは透明なインクだけど、ブラックライトで光るから。

水族館の近くにレストランはないので、クルマで本部町に出て、
沖縄そばを食べに行くことにした。
宿のご主人に「本部町そばマップ」をもらったので、持ってきたのだが、
どの店が美味しいのか、という肝心な情報を聞いてくるのを忘れた。
で、水族館の近くにある店に適当に入ったのだが、
これが、なかなか美味しかった。

本部町そばマップ
http://www.motobu.or.jp/image/soba_map24.pdf


水族館に再入場。タッチプールでヒトデやナマコをさわって
遊んでいると、後ろから、
「Excuse me.」
と声をかけられた。
ふりかえると、白人の女性と子どもであった。
その子が、私の後ろで場所があくの待っている。
「Oh, sorry, Please.」と言って、場所をあけた。
「Thank you. なんたらかんたら」とか言われたので、
「Don't mention it. It's my pleasure.」と言っておいた。
すると、中国人の子どもが私をみて笑いながら、
「なんたらかんたらハオハオ」とか言うので、
「ニーハオ」と言って、手をふっておいた。


午後3時にジンベイザメに対する給餌が始まった。
ジンベエザメは、1回あたり約30kgのオキアミを食べる。
3匹のエサ場は、それぞれ決まっているそうで、
ヒシャクをカンカンと鳴らして、ジンベエザメを呼ぶ。
そうして、やってきたジンベエザメの口もとに、大量のオキアミをまく。
すると、ジンベエザメは大量の水とともに、一気に吸い込んで食べるのである。
そして、水だけ、エラから出すのだ。
8メートルもある巨体が、エサを食べやすいように、
立ち泳ぎ状態になっている。
なんだか、ものすごい迫力だった。


エサを食べるジンベエザメ  撮影:tak

最大のイベントであるジンベエザメの給餌を見たので、
私たちは満足して、館外に出た。
イルカとオキゴンドウのショー、オキちゃん劇場を見る。
もう、何回も見ているし、いつも同じ芸なのだが、
それなりにおもしろい。
イルカラグーンでは、イルカにさわることができる。
だが、要予約である。
ジュゴン館とウミガメ館をのぞいて、午後6時に水族館をあとにした。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
沖縄美ら海水族館は、日本国内最大級の水族館であり、
なんど来てもおもしろい。
人にもよるとは思うけど、1日中いても、全然、飽きないし、
ていねいに見ていくと1日では足りない。
効率的に見てまわるためには、イベントプログラム一覧表
をダウンロードしておくといいだろう。

プログラム一覧表
http://oki-churaumi.jp/images/dl/program_table.pdf


なお、入館料は大人1,800円だけど、那覇空港のほか、
コンビニ、道の駅などで、割引券を入手できる。(1,550円)
2日以上行くつもりなら、年間パスポート(3,600円)の購入も
おすすめである。

三岐鉄道北勢線に乗った

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日本で数少ないナローゲージの鉄道である
三岐鉄道(さんぎてつどう)の北勢線
(ほくせいせん)に乗ってきた。

hokusei1.jpg
三岐鉄道北勢線の270系電車

三岐鉄道webページ
http://www.sangirail.co.jp/

みんなで乗ろうよ 北勢線!!
http://www5.ocn.ne.jp/~tetsudou/index.htm


仕事で三重県桑名市に行った。
で、ナローゲージの鉄道である三岐鉄道の北勢線に
乗ってきた。

鉄道は、2本のレールの上を走る乗り物である。
そのレールの間隔(=軌間、ゲージ)には、
いろんな規格がある。
JRの在来線などは1067ミリ。「れいろくなな」と覚える。
新幹線などは1435ミリ。「石3個」と覚えればいい。
「覚える必要あるのかよ。」と言われるかもしれないが、
まあ、覚えておくといいことがあるかもしれないから。(笑)

JRの場合は、れいろくななと石3個の2種類だけど、
私鉄には、もう少しバリエーションがある。
京王、京成、都営地下鉄などは1372ミリ。
そして、もっと小型で簡便な鉄道には、762ミリの軌間が使われる。
これがナローゲージである。

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762ミリのナローゲージ

ナローゲージは森林鉄道、軽便鉄道など、
全国に普及した。また、旅客を扱う鉄道においても
使われていた。旅客を扱うナローゲージの鉄道は、
下津井電鉄など、たくさんあったけど、
現時点においては、以下の3つだけになっている。

 ①近鉄 内部(うつべ)・八王子線
 ②三岐鉄道 北勢線
 ③黒部峡谷鉄道


北勢線は、かつては近鉄であったけれど、
乗降客数が減少し、廃止の危機にあった。
それを、近くに路線を持つ私鉄である三岐鉄道が、
2003年において、近鉄から路線を買取り、
営業を継続したのであった。


762ミリの軌間だと、車内はさすがに狭い。
満員だと、前の乗客とヒザを突き合わすような感じである。
しかしながら、私が乗ったときは、
午後1時ごろであったので、車内はすいていた。

モーターと車輪は、つりかけ式で接続されており、
走行音は、うううーんという感じである。
昭和生まれの人にとっては、なつかしい音であろう。

軌間が狭いから、あまり速度を出すことができない。
脱線する危険が大きくなるから。
最高速度は時速45キロメートル。
はっきり言って、遅い。
西桑名~阿下喜間の20.4kmに、約1時間もかかる。

ま、前時代的であることは否めない。
沿線の住民でクルマを持っている人は、
間違いなく、クルマで桑名まで出るだろう。
名古屋は通勤にすら、クルマを使う土地柄だし。
あるいは、1435ミリに改軌して、桑名から近鉄名古屋線との
相互乗り入れを実現すれば、もう少し、利用客も増えるのでは
ないかと思うのだが。

まあ、近鉄から見捨てられた時点で、もはや命運は尽きていた。
三岐鉄道という引き受け手がなかったら、とっくに廃線されていたし。
そういった意味では、ラッキーな存在ではある。
どうか、このままいつまでも、のんびりと走り続けてほしいものである。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
三岐鉄道北勢線は、762ミリのナローゲージ。
全国的にもめずらしい存在である。
近くによった時には、乗ってごらんになればいかがであろうか。
おもしろい旅ができるかもしれないから。

河津桜、リベンジ

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静岡県河津町の河津桜は、いまが見頃です。

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河津のサクラ  2013年3月2日撮影

昨年、河津のサクラを見に行ったけど、開花時期の予想を誤って
行ってみたら、ほとんど散っていた。(笑)
ということで、今年は、そのリベンジである。
ここで事前に情報を集め、見頃になったのを見計らって、
3月2日土曜日に行ってきた。

河津のサクラは、例年、2月上旬くらいに花を咲かせる。
非常に早咲きのサクラとして有名である。
今年の冬は寒い日が多かったため、開花が遅れていたが、
3月1日に20℃ちかくまで気温が上昇したことにより、
一気に開花した。

河津のサクラは、オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種
といわれており、ピンク色でおおぶりな花を咲かせる。
ソメイヨシノのようにパーッと散る感じではなく、
1週間くらいは、見頃が続くようである。

河津川沿いに、河口から2kmくらい、サクラの並木が続いている。
正直いって、いい風景写真を撮るのはむずかしい。
この時期は見物客がたくさんいるから、どこを撮ろうとしても、
必ず、画面に人が入ってしまうから。
また、遠くには電柱と電線がある。
だから、どうしたって、きれいな風景は撮れない。
ということで、河津サクラの写真は、サクラの花のアップか、
あるいはサクラとナノハナ、あるいはスイセンを組み合わせた
フレーミングで、うまくごまかすしかない。
持っているようであれば、マクロレンズを持って行くといいと思われる。

cherry2.jpg
サクラの並木

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たくさんの見物客と桜並木



ということで、今回の記事のまとめであるが、
河津のサクラは、いまがちょうど見頃である。
ご興味があれば、出かけてごらんになるといいだろう。


早春の伊豆半島は、いつも渋滞する。
基本的に、伊豆半島はクルマの数に対して道が少なく、
いったん入ったら、出ることがむずかしいのである。

とりわけ、国道135号線の伊東付近から熱海ビーチラインにかけては、
慢性的に渋滞しているから、避けた方がいいだろう。
私はいつも、伊豆からの帰りは、天城峠を越えて天城北道路、
修善寺道路、伊豆中央道、伊豆縦貫道を経由して、
沼津ICから東名に乗るようにしている。

伊豆スカイラインには、行かない方がいい。
走り屋がいっぱいいて、オートバイの事故が絶えないから。
われわれツアラーが安全なペースで走っていても、
巻き込まれる恐れがあるからね。

大して景色のいい道ではないし。

東京から近くて気軽に行けるから、みんなありがたがるけど、
全国的にみれば、もっと景色のいい道は、ごまんとある。
どうしても走りに行きたいなら、走り屋がいない平日に行くことを
つよくおすすめする。

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