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Channel: 続・国道な日々
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白内障の手術を受けてきた 3

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白内障の手術を受けてきたのだが。そのつづき。

2016年6月28日午前10時、私は小平市の公立S病院に
入院した。
入院することは、会社関係、仕事関係には知らせなかった。
どうせ、知られてしまうけれど、いまはまずい。
いま関わっているプロジェクトから外されたくないし、
1週間かそこらの入院だから、周囲によけいな心配を
かけたくなかった。

入院と聞いて、いちばんびっくりしたのは家内である。
私はバカだし、オートバイの運転はどヘタだし、
なーんのとりえもない人間だけど、とりあえず健康だった。
そんな私が、いきなり入院することになってしまったので
家内にとっては衝撃であったようだ。
めずらしく、病院まで、ついて来てくれた。

看護師さんに入院生活の説明を受けて、腕にバーコード
のついたリストバンドを付けられる。

私  「なんだか、刑務所に入るときみたいですね。」
看護師「いえ、知りません。刑務所に入るときも、
こういったものを付けるんですか?」
私  「ええ。交通違反がオレンジとか、薬物違反が緑とか、
犯罪によって、色が違うらしいですよ。」
看護師「なんで、そんなこと、ご存じなんですか。」
私  「い、いや。聞いた話です。あくまでも聞いた話。」
看護師「...。」

どうやら、よけいな話をしてしまったようである。
病室に案内され、ここがあなたのベッドです、と言われた。
同室の方は、眼の手術を受けた人とか、
重症の糖尿病患者とか、いろいろだった。
ひとりひとりに、どうぞよろしくお願いします、と
挨拶してまわった。

さてと。
家族に心配をかけるようでは、人間失格である。
すこし、マジメにやらないといけないな、と思った。
糖尿病には、なりやすいタイプの人があるらしく、
享楽的な人、楽天的な人は糖尿病になりやすいし、
また、なかなか治らないらしい。
なにを言っても、「まあ、ええやん。」とか言うような人が
いちばんやばいのである。
ここで、早く退院できないようだと、生涯、糖尿病に
悩まされることになるかもしれない。

それに、なんだか思わぬことになってしまったけど、
私の目標は、糖尿病をなおすことではない。
白内障の手術を受けることなのである。
とにかく、さっさと退院しないと。

ベッドに横になり、ボーッとしていると、昼食が出た。
「注射がありますから、まだ、食べないでくださいね。」
と言われた。
看護師さんがやってきて、血糖値を測定される。
「ちょっと、チクッとしますよ。」
と言われ、指先に針のようなもので、パチンッと穴をあける。
ちょっとチクッどころか、めちゃめちゃ痛いやんか。
さらに、お腹のあたりに、インスリンを注射される。
そうして、やっと、「どうぞ、召し上がってください。」
という許しが出た。

メニューは、かぼちゃの煮たのにひき肉の餡をかけたものと、
ご飯。それとサラダ。
「え、これだけ?」
と思うくらい、少なかった。

5分くらいで食べてしまった。ほかにやることがないので、
ベッドで横になり、本を読む。
60年間、生きてきて、こんなにのんびり過ごすのは初めてである。

晩ごはんは、鰆(さわら)の切り身の焼いたもの。
おどろくほど、小さかった。それにもう1品、なにかあって、
ご飯とみそ汁。それだけ...。
結局、入院初日はお腹が空きすぎて、よく眠れなかった。
(さらにつづく)

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