のだが。
「正論」という雑誌がある。
2018年6月号には「大学政治偏向ランキング」という
記事があった。
「まあ、西の立命館、東の法政だろうなー。」
と思って読んでみたら、なんと、立教大学が
堂々の1位となっているではないか。
かつては、自由の学府といわれた。
校歌にも、そう歌われているし。
しかしながら、現在はサヨクの大学というイメージが
すっかり強くなってしまったね。
このブログでは、何度か書いたけど、
私は立教大学の出身である。
母校がサヨクの大学と言われるのは、
OBとしてはガマンができないし、
そのように書くマスコミにも、大きな誤解が
あると思うので、すこしだけ、実情を説明
させていただきたいと思う。
まずは、立教大学(以下、立教)がどういう学校なのか
について、すこしだけ紹介させていただく。
立教は、東京6大学のなかで、いちばん小さい大学である。
学生数は、約2万人。
5万人以上いる早稲田や、7万人以上いる日大にくらべると
ひときわ少ない。
それでも、志木キャンパスの拡充などにより、増えたほうで、
私らの頃は、1万2,000人くらいであった。
関西在住の人にとっては、ほとんど知らないだろう。
私の家内の母は、私のことを、“聞いたこともない大学”
の出身である、と思っている。
2年前に家内の妹の娘が、関西学院大学に進学した。
そのとき、
「あんたも、もっとがんばって、関学くらいの大学に
行ったらよかったんや。」
と言われてしまった。ま、いまさら誤解を解いても
仕方がないので、
「そうですね。○○ちゃん、がんばりましたよね。
合格できて、よかったですね。」
と言っておいたけど。
実際には、立教はMARCHといわれる早慶に次ぐ
東京の私立大学グループのなかでは、
いちばん偏差値が高い。
だいたい60~65(河合塾調べ)である。
とりわけ、女子には人気がある。
ネットの世界では、私立大学出身=バカという
レッテルが貼られるし、ま、私自身はたしかに
バカなんだけど、
立教は、入るのはそれなりに難しい大学なのである。
立教は伝統的に推薦入学をあまり取らないから、
(だからスポーツが弱い!)
高校から受験するには、きびしい一般入試を
突破しなければならないし。
入学してから、周囲の者に聞いてみると、
松本深志とか、膳所とか、野沢北といった
県下トップクラスの公立高校で、
上位20位以内にはいた、というやつが多かった。
あるいは、女子学院とか、浦和明の星といった
女子の名門私立校出身の子も多かったね。
私自身は、大阪のトップではない公立高校から
一浪して立教に入った。ま、バカである。
予備校の模試では、偏差値65には達していなかったけど
英語と地理が得意だったから、
たまたま、合格できたのであった。
(立教は英語と地歴科目の配点が大きく、
しかも英語は長文読解の問題が4問も出る。
英語を英語として読んで、サクサクと回答して
いかないと、時間が足りなくなるので、
英語が苦手な者は、まず合格できない)
あ、それから、立教はキリスト教の大学であり、
日本最古のミッション・スクールである。
立教がサヨクの大学といわれる要素としては、
経済学部に伝統的にマルクス経済学(マル経)の
先生が多いことがあげられる。
私自身は経済学部経営学科(現在の経営学部)
の出身なのだが、当時は経済原論(=マル経)は
必修だったね。
とはいえ、先生はそれほど厳しくなくて、
マルクスの「資本論」の内容のうち、
「労働には具体的有用労働と抽象的人間労働がある」
ということと、
「資本主義社会の根本的矛盾は、生産の公的性格
と領有の私的性格にある」ということが
試験できちんと書ければ、だいたいBをもらえた。
(立教の評価はABC。優良可の「良」にあたる)
私の経済原論の先生は、有名なマル経学者である
山本二三丸(やまもとふみまる)先生であった。
学生たちからは尊敬されていたな。
当時の立教の先生たちは、サヨクというよりも、
社会に対して批判的なのであった。
立教では、他学部の授業も卒業の単位に加える
ことができたので、私は社会学部の観光学という
授業も取ったけど、その先生は、
「日本の温泉観光地は、資本主義社会の出す
膿(うみ)の吸い取り紙的な機能を果たしてきた。」
とか言っていたな。www
社会に批判的なのは、キリスト教の学校だからである。
キリスト教の自由、平等、博愛の精神は、
社会主義、共産主義とむすびつきやすい。
それと、マルクス経済学の先生が多かったことから
自然とリベラルの方向に行ったのだろうな。
(長くなったから、次回につづく)