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Channel: 続・国道な日々
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遠軽~釧路自転車ツーリング その5

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遠軽(えんがる)から釧路まで、自転車で走った。そのつづき。


4日め  ウトロ~羅臼(らうす)  約30km

三脚を立てて記念写真をとっていると、「わ」ナンバーの
レンタカーがやって来た。女性3人が降りてきて、
私をみると、
「おつかれさまでーす。」
と言った。

私  「ああ、こんにちは。」
女性A 「すごーい。自転車でここまで登ってきたんですか。」
私  「いやあ、下からここまで2時間くらい、かかりましたけど。」
女性A 「これから、どちらに降りるんですか?」
私  「羅臼のほうに降りますが。」
女性B 「ヒグマ、いましたよー。キャハ!」
私  「え...ほんとですか。」
女性C 「ええ。道の近くに本当にいましたよー。キャハハ!」
私  「...。」

もし、それが本当なら、キャハハッ!ではないと思うのだが。
私なら、たとえ逆方向であっても、
「よろしければ、安全なところまで、このクルマに乗って
いかれますか?」
くらい、言うと思う。けれども女性たちは、記念写真を
撮り終わると、
「じゃ、がんばってくださいねー。キャハハハハッ!」
と言って、走り去って行った。


しばらく考えたものの、とりあえず、降りるしかない。
午後1時30分、下り始めた。
羅臼がわは、ウトロがわにくらべて勾配が急なようで、
かなりのスピードが出た。
時速50km以上。
それを追い越して行った大阪ナンバーのプリウスが
いたのには恐れいったけど、ともかく、ヒグマに
追いかけられたくないので、私は必死でとばした。
午後1時50分、無事に熊の湯に着いた。

峠からここまで、約20分。
サイクルコンピュータによると、距離は約13kmである。
平均時速39km。最高時速62km。
ヒグマの恐怖があったからこそである。


今日は、もう、ここで終わろう。本当は標津(しべつ)まで
走るつもりだったんだけど、ちょっと疲れた。
私は向かい側の羅臼温泉野営場に入って行った。
まだ管理人が来ていなかったので、
自転車と荷物だけ置いて、熊の湯に行く。

kumano.jpg
熊の湯


熊の湯は、無料の露天風呂である。
とはいえ、男女別である。
女湯と書かれた建物をすぎると、いきなり男湯で、
全裸の男が5人いた。みんな、すっぽんぽんで、
前を隠していない。

一瞬、たじろいだけど、どうやら、これが正しい熊の湯
の入り方らしい。「こんにちは。」と言って脱衣場に入る。
私も全裸になり、タオルで前を隠さずに湯にむかう。
5℃以下の峠から降りてきて、ちぢこまっていたので、
手ですこしほぐしてから、入っていった。

いろんなところに書かれているように、
熊の湯は、とても熱い。
45℃くらいある。
湯につかった瞬間、手足がしびれる。
がまんして、全身をつけた。

先にはいっていた人は、ほとんど地元の人だった。
「家に風呂はあるが、わかしたことはない。
毎日、ここに来る。」と言っていた。
だろうなあ。こんないい温泉が近くにあって、
しかも無料なのだから。

その夜、他にやることもないので、熊の湯に2回、
入りに行った。
熊の湯は、「熊の湯を守る会」により維持されて
いるようで、毎朝、清掃があるようだ。
「キャンプ場にお泊まりの方、ご協力よろしく
お願いします。」と書かれている。
明日は、遅れを取り戻すため、根室までの
約140kmを走りたい。朝、はやく出発したいので、
掃除はカンベンしてもらおう。
午後9時に眠りについた。
(つづく)

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